私は平社員のふりをして生きてきた。ある日、クライアントの前で課長に「お前は中卒のおっさんだ。真ん中の席で十分だ」と怒鳴られ、私は笑顔で会議室の隅に座った。だが、私が「もう一つご提案がある」と切り出した時、課長の顔色が変わった。その後の展開に、会社全体が震撼することになる。私が誰なのか、彼は知らなかったようだ。 この物語の続きは、コメント欄で。

私は平社員のふりをして生きてきた。ある日、クライアントの前で課長に「お前は中卒のおっさんだ。真ん中の席で十分だ」と怒鳴られ、私は笑顔で会議室の隅に座った。だが、私が「もう一つご提案がある」と切り出した時、課長の顔色が変わった。その後の展開に、会社全体が震撼することになる。私が誰なのか、彼は知らなかったようだ。 この物語の続きは、コメント欄で。

「おい、平社員のくせに、なんでその席に座ろうとしてるんだよ。お前みたいな中卒のおっさんは、真ん中の席で十分だ。お情けで言ってるんだぞ。本来なら、お前の分際でこの会社の金に触れることだって許されないんだ。分かったか」

俺は四十代半ばの営業マンだ。転職して今の会社に入ってからは、この川北課長のパワハラに何度も晒されてきた。だが、目の前の光景は流石に意味が分からなかった。俺はおかしな表情をしていたと思う。

「おい、お前の座る場所はここじゃねえ!」

川北はクライアントが大勢いる前で、さらに声を荒げた。俺は会議室の隅っこにあるパイプ椅子に座らされ、黙って彼のプレゼンを見守るしかなかった。

俺の名前は山根健二。ここでは無能な平社員を装っているが、実は前職は経営コンサルタントだった。何人もの倒産寸前の会社を立て直してきた実績を持つ。今の会社に転職してきた時、顔を見た瞬間に「こいつは使える」と見抜いた社長の命令で、営業部に配属された。しかし俺は、残業も休日出勤もせず、無理をしない生き方を選んできた。

すると突然、会議室に一人の女性が現れた。

「部下に神座を譲るとは、素敵な会社ですね」

その女性は、俺を見て微笑んだ。彼女は、俺がコンサル時代に救った会社の社長、海野だった。俺は慌てて否定しようとしたが、時間の無駄だと思い、大人しくお辞儀をした。川北が社長を席に案内し、プレゼンが始まった。

俺が立ち上がろうとすると、川北が先に立ち上がり、咳払いをした。俺が作った資料は机の上から回収され、代わりに彼自身の資料がプロジェクターに映された。俺のプレゼン資料は、完全にパクられていた。

「それって、あなたの主観ですよね。売上が五倍に伸びたっていう根拠やデータはあるんですか?」

クライアントの担当者が手を挙げて、川北の話を遮った。

「私たちは、この話の先を見せて欲しいんです。それに、同席者を侮辱するような社員がいる会社は、うちのポリシーに合いません」

海野が俺を見て言った。

「がっかりです。今回は中止にしましょう」

その瞬間、俺は腹を括った。俺は立ち上がり、クライアントの担当者に向かって言った。

「もう一つ、ご提案があるんですが」

「こちらが課長さん。では、あなたは部長さんあたりになられたのかしら?」

海野が俺に尋ねる。

「いえ、私は今の会社では、一等兵にもなれない一般社員ですよ」

その答えに、海野は驚きの表情を浮かべ、川北に言った。

「え、こいつをご存知なのですか?」

「知ってるも何も。以前はビジネスコンサルタントとして、何社も会社経営を立て直してきた逸材よ。うちの会社だって、経営不振に陥った時に助けてくれたのが山根さんで、ここまで事業拡大に至ったんだから」

川北は信じられないといった顔で俺を見た。俺は、自分のプレゼン資料を海野に差し出した。

「大変おこがましいのですが、もう一度チャンスをいただけたら、こちらの内容でご提案させていただきたいのです。是非一度、お目通しいただくことは可能でしょうか?」

海野は資料を一読して、微笑んだ。

「改めて場を設けるよう、私の方から働きかけます。ただし、あの社員さんは抜きで」

その日から、俺の会社での地位は変わった。川北はクライアント企業の会議室でのパワハラが原因で、解雇された。俺は営業課長に就任し、海野の会社との契約を無事成立させることができた。

俺は今、部下たちと共に働いている。もちろん、俺のスタイルは変わらない。残業も休日出勤もせず、出力は依然として八割。だが、部下を大切にすることだけは忘れないと誓った。いつかまた、あの時のような傲慢な上司が現れても、俺はもう二度と黙って従うことはない。

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