13年間同棲してきた彼に、私はこう聞いた。「もし私が他の人と結婚したいって言ったら、どうする?」すると彼は、スマホも見ずに鼻で笑った。「35にもなったおばさんを誰が拾うんだよ。お前のもらい手なんていない。一緒にいてやってる俺に感謝しろ」その瞬間、13年間信じてきた気持ちが完全に冷め切った。それまで何度も結婚を申し込んでも、彼はいつも「今じゃない」と逃げてきた。家事も生活費も全部私が担い、毎月…

13年間同棲してきた彼に、私はこう聞いた。「もし私が他の人と結婚したいって言ったら、どうする?」すると彼は、スマホも見ずに鼻で笑った。「35にもなったおばさんを誰が拾うんだよ。お前のもらい手なんていない。一緒にいてやってる俺に感謝しろ」その瞬間、13年間信じてきた気持ちが完全に冷め切った。それまで何度も結婚を申し込んでも、彼はいつも「今じゃない」と逃げてきた。家事も生活費も全部私が担い、毎月...

「もし私が他の人と結婚したいって言ったったら、どうする?」
その言葉を、私は酔っ払った彼に向かって投げかけた。
すると彼は、スマホに目もくれず、鼻で笑った。
「35にもなったおばさんを、誰が拾うんだよ。お前のもらい手なんていない。一緒にいてやってる俺に感謝しろ」
その瞬間、私の心は完全に冷め切った。
13年間、私は彼と一緒にいた。大学時代から交際し、同棲して13年。何度結婚を申し込んでも、彼はその度に話をはぐらかしてきた。
彼にとって私は、都合のいい女でしかなかったのかもしれない。

高校の同窓会で、久しぶりに会った彼、とやからプロポーズをされたのは、そんな時だった。
「高校生の時からずっと好きだった。今日会って、その気持ちが変わってないことに気づいたんだ」
突然の告白に驚いたけれど、心が踊った。
彼と一緒にいるよりも、幸せになれるかもしれない。
そう思えた。

でも、私はまだ彼のことを完全に諦めきれていなかった。
同窓会の夜、酔って帰ってきた彼に、私は最後の確認をしたのだ。
「もし私が他の人と結婚したいって言ったら、どうする?」
その答えが、あの言葉だった。

大学を卒業して、彼と一緒に暮らし始めたのは、22歳の時だった。
「結婚か。したくないわけじゃないけど、就職して仕事が安定してからでもいいだろう」
彼の言葉を信じた。
彼はちゃんと私のことを考えてくれている。
そう思った。

卒業後、彼は大手生命保険会社に就職し、外交員として働き始めた。
毎日、営業トップになることを目標に仕事に励んでいた。
夜遅くに顧客に呼び出されることも、休日に接待で出かけることもあった。
それでも文句も言わずに働く彼を、誇りに思えた。
私は彼の身の周りの世話をしながら、支えてきたつもりだった。

同棲を始めて3年が経った時、私はもう一度結婚を切り出した。
「もう少し待ってくれないか? もうすぐできるかもしれないんだ」
彼は大型契約がまとまるまで待ってほしいと言った。
私は素直に待つことにした。

しかし、5年経っても、彼は変わらなかった。
「形にこだわる必要があるのか? 俺はこうやって一緒に暮らしてるだけでも十分幸せだよ」
そう言われてしまうと、それ以上何も言えなくなった。
「いつかちゃんとしてくれるのよね?」
「もちろんだ。でも今じゃない」

その「今じゃない」が、13年間も続いた。
彼から結婚しようと言われたことは一度もなかった。
それどころか、家事を全て私が担っているのに、「ありがとう」の一言もない。
家計の全てを私の給与で賄っている。
彼は高級時計や会社の購入、週末の接待ゴルフなど、仕事に絡んだ出費が多く、給与の全てをそれに注ぎ込んでいた。

毎月給料日前になると、彼は私に小遣いをせびってくるのだ。
「接待が重なって手持ちがない。少しだけ貸しておいてくれ」
「また? そんなに接待にお金がかかるの?」
「これも契約を取るためなんだ」
入籍もしていないのに、毎月数万円単位でお金を持っていかれる。
「俺たちはもう夫婦みたいなもんだろう」
「そういうことは、ちゃんと夫婦になってから言ってよ」
彼にとって私は、都合のいいATMなのかもしれない。

近頃は、彼が営業の接待と称して帰宅しない日も増えていた。
泊まりで接待する必要があるのだろうか。
保険外交員をしている友人に相談すると、「泊まりで接待することはない」と言われた。
彼を信じていいものか、私は悩んだ。

「ねえ、私と結婚する気あるの?」
「なんだ、またその話か。疲れてるんだ。今度にしてくれ」
何も答えない。それが彼の答えなのだ。
彼にとって私は、家族かもしれない。
でも、それは両親や兄弟のような家族でしかないのだろう。
男女の愛情は、最初からなかったのかもしれない。
そう思うと、悲しくて涙が溢れた。

その数日後、また接待と称して一晩家を開けた彼は、翌朝上機嫌で帰ってきた。
「契約をもらえたの?」
「まあ、そんなところだ」
歌を歌いながら風呂に向かう彼に、違和感を覚えた。
その違和感の正体は、すぐに分かった。
脱衣所に脱ぎ捨てられたシャツを洗濯機に入れようとした時、慣れない女性の香水の匂いがしたのだ。

すぐに彼のスマホが鳴った。
画面には女性の名前と共に、「昨日は楽しかった。また会いたい」という親密なLINEが表示されていた。
彼は浮気している。
そう確信した私は、風呂から上がった彼を問い詰めた。
「これ、どういうこと?」
「確かに女性と一緒だった。でも、大きな契約をくれた客だ」
「そのお客さんと、どうして一晩を共にする必要があったの?」
「別に、お前が考えているようなことはしてない。これも契約を取るための仕事だ」
いくら契約を取るためとはいえ、そこまでする必要はない。
ましてや、私に黙って女性と一晩を共にするなんて、ありえない。

しかし、私がいくら抗議しても、彼は逆切れするだけだった。
「仕事してるのに、浮気を疑うのか?」
彼にとって私は、本当に都合のいい女だった。
それが痛いほど分かって、彼との将来に期待が持てなくなった。
でも、別れを切り出すこともできず、私は彼との生活を続けていた。

そんな中、高校時代の同窓会の招待状が届いた。
「なんで同窓会なんて行くんだよ」と彼は激しく怒り始めた。
「懐かしい級友たちに、久しぶりに会いたくなっただけよ」
「そんなこと言って、どうせ浮気でもする気なんだろう」
自分が浮気しているからこそ、私も同じように浮気すると思い込んでいるのだ。
「いい加減にして」
私の中で何かが弾け飛んだ。
13年間彼を信じてきたが、もう限界だった。
私の中に残っていたわずかな信頼さえも、消えてなくなってしまった。

2ヶ月後、私は彼の反対を押し切り、同窓会に出かけた。
久しぶりに会う同級生たちは、皆大人になっていた。
自分で事業を立ち上げた人、結婚してお母さんになっている人。
それぞれが自分の道を歩み、輝いている。
それに比べて、私の時間は13年も止まったままだった。
私は一体何をしてきたのだろうか。

その時、1人の同級生が声をかけてきた。
高校時代に同じ部活に所属していた、とやだ。
「久しぶり」
とやは高校時代と変わらず、眩しいくらいの笑顔を見せてくれた。
「懐かしいわね。今はどうしてるの?」
私は素直に現状を話した。
「そっか。サリも苦労してるんだな」
聞けば、とやも婚約者に騙されて破談になったのだという。
お互い似たような境遇を過ごしていたことに、どこか親近感が湧いた。

「なあ。もし俺が結婚しようって言ったら、どうする?」
「え? それ本気?」
「リが嫌じゃなければだけど。実は高校生の時から、リのことが好きだったんだ。今日久しぶりに会って、その気持ちが変わってないことに気づいた」
高校生の時、告白する勇気がなくて、何も言えずに卒業してしまったのだという。
「気持ちは嬉しいけど、まずは今の彼と別れてからじゃないと」
「それはもちろん。リがその気でいてくれるなら、僕は待つよ」

とやの気持ちに答えたい。
私はとやとの人生を想像してしまった。
それでも、彼が反省して私を幸せにすると約束してくれるのであれば、彼との人生を選ぶかもしれない。
私はとやへの返事を先送りし、彼の気持ちを確かめることにした。

同窓会を終えて自宅に戻ると、彼はまだ帰っていなかった。
すると玄関のインターホンが鳴った。
モニターには、ひどく酔った様子の彼が映し出されている。
「こんなに酔っ払って、どうしたの?」
「うるさい。これも仕事だ」
足元のおぼつかない彼を支えながら、ソファーに座らせる。
「俺が必死に働いてるっていうのにお前は同窓会で男とイチャイチャしてきたんだろ」
「そんなことするわけないでしょ」
「どうだかな。分かったもんじゃない」
彼は呂律の回らない口調で私を罵倒した。
「だったら聞くけど、もし私が他の人と結婚したいって言ったらどうする?」
「はあ? 35にもなったおばさんを誰が拾うんだよ。お前のもらい手なんていない。一緒にいてやってる俺に感謝しろ」
その瞬間、私の心は完全に冷え切ってしまった。
「もう、別れましょう」
「何言ってるんだ。冗談はよせよ。俺がいなくなって困るのはそっちだろう」
彼は、私が彼なしでは生きていけないと思っているのだ。
「私は本気よ」
「はあ、うるさい。俺はもう寝る」
彼は私の話をまともに聞こうともせず、寝室で寝てしまった。

数週間後、彼は休日の営業と称して出かけていった。
その後ろ姿を見送りながら、私は心の中で別れを告げた。
数分後、あらかじめ手配していた引っ越し業者がやってきた。
私は彼との決別を決意し、新しい生活へと踏み出したのだ。

荷造りをしていると、クローゼットの奥から彼が隠し持っていた1冊のノートを発見した。
表紙には「顧客管理ノート」と書かれている。
中には、彼が営業成績を伸ばすために肉体関係を持った奥様方の名前や、待ち合わせの場所や日時、さらには攻略難易度やプレゼントの要求額まで記入されていた。
彼が行っていた接待は、奥様方の性欲の解消だったようだ。
私はそのノートの全てをスマホで撮影し、ノートは元通りに隠した。

荷物を積み終えたトラックが新居へと出発するのを見届けた私は、近くで待機してくれていたとやの車に乗り込んだ。
「準備できた?」
「え、完璧よ」
私は彼への気持ちが完全に覚めていたので、とやに連絡を取り、この計画を話していたのだ。
「リのことは僕が幸せにする」
とやは改めて私にプロポーズしてくれた。
私たちはその足で役所へ向かい、婚姻届を提出した。

翌日の夜、空っぽになった部屋に帰った彼から、LINEが送られてきた。
「鍵を変えたのか。お前はどこにいる」
私は「マンションは解約済み、あなたの荷物はご実家に送っておいた」とだけ返信し、彼の連絡先をブロックした。
彼の元に帰る気はない。
自分の欲望のためだけに複数の既婚女性と不倫関係を持ち、私を騙してきた男に、未練など湧くはずもない。

数日後、私はとやと共にパリへ旅立った。
とやは大手都市銀行で銀行員をしていて、同じ銀行で支店長を務めている父親も、私のことをよく受け入れてくれた。
結婚式はとやの仕事が落ち着いてから行うことになったが、その前に2人でゆっくり過ごすことにした。

とやはいつも私の意見を取り入れてくれ、お互いに遠慮なく意見が言い合える。
決して無理をせず、穏やかに私を包んでくれる。
今まで感じたことのない幸せを噛みしめながら、私は異国の地でとやとたくさん写真を撮った。

その写真をSNSに投稿すると、そこに彼からコメントが入ったのだ。
「勝手に結婚するな。お前は俺の女だ」
粘着質なコメントが連続して投稿されたが、それを見た閲覧者たちから「この人ストーカーだ」とマークされてしまったらしい。
警察に通報すべき案件だと、閲覧者たちは彼のアカウントから身元を特定したようだ。
SNSでは次々に彼の素性がさらされ、「社会不適合者だ」と非難の嵐が巻き起こった。
その結果、彼のアカウントは削除され、ネットの世界からも追放された。

1ヶ月後、彼が私の職場に乗り込んできた。
隣には若い弁護士も一緒だ。
「不当な内縁解消だ。精神的苦痛の慰謝料500万。今すぐ払え」
同僚たちが見守る中、彼は大きな声で叫び、私を「裏切り者の不倫女」に仕立て上げようとした。
「私は不倫なんてしてないわ。とやとはあなたと別れた後、交際0日で入籍したの。嘘だと思うなら、彼の父親にでも確認してみたら」
「そんな言い訳が通ると思うな。俺と一緒に暮らしながら他の男に行為を持つこと自体が不倫なんだ」
彼はどうあっても私が浮気したことにしたいらしい。

「仕方ないわね」
私は静かに数枚のコピー用紙を並べた。
彼が驚くのも無理はない。
私が提示したのは、彼が隠し持っていた顧客管理ノートのコピーだったのだ。
「『仕事だ』って言って、複数の既婚女性と関係を持っていたことは不倫にならないのかしら」
「接待だ。仕事と不倫は別物だ」
彼は必死に言い訳をしているが、そもそも肉体関係を持って契約を取るなどあってはならない。
「既婚の契約者たちと関係を持ち、営業に利用した事実。これ以上の背信行為があるのかしら」
彼は顔を真っ赤に染め、言葉を失った。
「私に慰謝料を請求することはできない。どうしても払えって言うなら、裁判にしたらどうかしら。だけど、その場合このノートの内容も開示することになるけどね」
私がノートの中身を開示すれば、彼の会社でも問題となることは間違いない。
そうなれば、彼がこれまでに関係を持った奥様方のご主人に知られることとなり、多額の慰謝料を請求されることとなるだろう。
「内縁関係の破綻はあなたの行為によるもので、私に落ち度はないわ」

「で、でも一方的に出ていったのはお前の方だ。俺は家にも入れず孤独な夜を過ごしたんだぞ」
子供じみた主張をする彼に、私は呆れ果てた。
すると、彼に同行していた弁護士がため息をついた。
「リさんの主張が正しいです。これじゃ勝ち目がないどころか、逆に刑事罰や損害賠償を請求されるレベルですよ。慰謝料を支払うべきは三谷さんの方です。僕はこれ以上あなたの弁護はできません」
弁護士は彼に慰謝料請求の取り下げを言い渡し、私の職場からもその場を立ち去るよう伝えて去っていった。

「こんなこと俺は認めない。お前は俺の女だ」
弁護士に見捨てられた彼は、自暴自棄になったのか、その場で大暴れし始めた。
「いい加減にしなさいよ。13年も結婚をはぐらかして他の女と関係を持っていたあなたが悪いんでしょ?」
「仕事して何が悪い? お前だって俺の給料がもっと上がった方が良かっただろう」
「いいえ。生活費も入れてくれないあなたの収入なんか、私はどうでも良かったわ」
彼は不貞行為してまでも契約にこだわった理由は全て私のためだと言う。
しかし、生活費は愚か誕生日のプレゼントや記念日の食事もおろかにされ、私はその恩恵を一度も受けていない。

「高級な俺と一緒にいられることそのものが、お前にとってのステータスになるじゃないか」
「そんなものいらないわ。私は今の夫と一緒にいることが幸せなの」
手当たり次第に物を投げつけ、身勝手な言い訳を繰り返す彼に、周囲の人も呆れ返っていた。
そこに警察官が現れた。
職場の誰かが通報したのだろう。
彼はあっさりと取り押さえられ、連行されていった。

その後、厳重注意を受け釈放されたようだが、私の職場で大騒ぎしたことがSNSで拡散されたのである。
その動画の中で、彼が顧客との不適切な関係を記したノートの存在が明らかとなり、それを知った彼の会社は裏取りに走ったようだ。
数日後、私の元に彼の上司が現れ、彼の顧客管理ノートの提出を求めてきた。
私は原本は手元にないことを伝えながらも、コピーした全てを渡した。
その結果、彼は重大なコンプライアンス違反に問われ、会社の信用を著しく損なわせたとして解雇処分を受けることになった。

さらに、ノートに記されていた奥様方の家庭に対し、不倫の証拠が届けられたらしい。
妻の不倫を知った旦那衆は、次々に彼へ慰謝料請求を行い、その合計額は1000万円を超えていたのだとか。
その上、家庭を崩壊させたとして、奥様方からも訴えられたらしい。
損害賠償が認められれば、彼は数千万円規模の支払いをしなくてはいけなくなる。

追い込まれた彼は、その後実家の両親を頼ったようだ。
しかし、彼の悪行がSNSにさらされたことで、実家にも野次馬たちが集まり、迷惑していた両親は彼を追い出し、親子の縁を切ると宣言したらしい。
両親からも見放された彼は、ついにスマホの料金も支払えなくなったようだ。
ある日、公衆電話から私に電話をかけてきた。
「頼むから助けてくれ」
「どうして私が助けると思うの?」
彼は多額の慰謝料の支払いに困り果て、私に金銭援助を求めてきたのだ。
「助ける義理はないわ。一緒に暮らしてきたとはいえ、ずっと私を裏切ってきたあなたに差し伸べる手などない」
私はすぐに電話を切った。

しかし、それからも何度も彼から電話がかかってくる。
その度に「忙しい」「料理中だ」と適当に理由をつけては通話を終了していたが、彼は諦めることがなかった。
公衆電話からの電話を受けないように設定すると、誰かにスマホを借りてかけてくる。
その番号も拒否設定すると、コンビニで電話を借りてかけてきた。
そのしつこさに、いい加減うんざりしていた時だった。

「リにプレゼントがあるんだ」
仕事から帰ってきたとやが、私に小さな小包を手渡した。
開けてみると、中には新しいスマホが入っていた。
「番号を変えたら、彼も連絡が取れなくなる。そうすれば問題解決だろ」
とやは、私が悩んでいることに気づいていたらしい。
「ありがとう。とっても嬉しいわ」
とやがくれたスマホはとや名義になっており、彼が私の連絡先を探そうとしてもたどり着けないだろう。
そう思った私は、自分のスマホを解約し、とやがくれたスマホに乗り換えた。

それからは彼からの電話もなくなり、平穏な日々を送っている。
風の噂では、その後彼は奥様方から訴えられ、多額の損害賠償の支払いが命じられたのだとか。
その支払いのため、住み込みの肉体労働を始めたようだが、慣れない仕事に苦戦しているらしい。

私はと言うと、その後はとやと共に幸せな日々を送っている。
高校時代からとやのことを知っている両親も、彼との結婚を喜んでくれ、時々両家で集まりながら良好な関係を築いている。
同居している義父も私のことを大切に扱ってくれ、とやの実家でもすっかり家族の一員となっている。
あの時、彼の反対を押し切ってよかった。心の底からそう思う。

とやとの生活は、何一つ不満のない満たされたものだ。
とやは私のことを心から愛してくれている。
一つ一つの言葉の端々にそれを感じ、私は人生で初めて「愛される喜び」を感じている。

とやと暮らして1年が過ぎた。今、私のお腹には彼の子供がいる。
とやは父親になることを楽しみにしており、両親と義父の支援を受けながら、満たされた気持ちでいっぱいだ。
ようやく手に入れた幸せな家族を守っていこう。
もうすぐ出会える我が子の誕生を楽しみにしながら、今日も私は満面の笑顔で過ごしている。

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