結婚式の前夜、私はホテルでスマホの画面を見つめていた。そこには、私の婚約者と実の姉が抱き合っている姿が映っていた。「どうせ誰にもバレないし」。姉のその言葉が、私の中で何かを確実に壊した。姉は両親を失った私を育ててくれた人。なのに、私の婚約者を奪おうとしている。確信犯の二人に復讐しようと、私はあえて何も言わず、結婚式当日まで泳がせておくことにした。そして迎えた本番。私が送った音声が式場に流れた…

結婚式の前夜、私はホテルでスマホの画面を見つめていた。そこには、私の婚約者と実の姉が抱き合っている姿が映っていた。「どうせ誰にもバレないし」。姉のその言葉が、私の中で何かを確実に壊した。姉は両親を失った私を育ててくれた人。なのに、私の婚約者を奪おうとしている。確信犯の二人に復讐しようと、私はあえて何も言わず、結婚式当日まで泳がせておくことにした。そして迎えた本番。私が送った音声が式場に流れた...

結婚式の前夜、私はホテルの一室でスマホの画面を見つめていた。そこに映っていたのは、私の婚約者・信明と、なんと私の姉・はるこの姿。二人は私たちの寝室で抱き合い、笑い合っていた。

「はるこさん、今のうちです。今夜はじっくり楽しみましょう」
「え、そうね。どうせ誰にもバレないし。最高の夜にしましょう」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は凍りついた。姉は幼い頃に両親を失った私にとって、親代わりであり、唯一の家族だった。信明は経営難の会社を立て直すために必死に働く、真面目な男だと思っていた。

私はあえて彼らを泳がせることにした。この場で電話をして止めることもできた。でも、私は絶対に後悔させたかった。式当日、みんなの前で真実を暴くことを決意した。

結婚式当日。入場曲が流れるはずの瞬間、会場に響いたのはあの夜の会話だった。信明と姉の浮気の証拠音声。参列者たちは凍りつき、信明は顔色を真っ青にして震えていた。

「なんだこれは。一体どういうことだ」

信明が怒りに震えながら私に迫る。しかし、私は冷静に言い放った。

「何を言ってるの? 楽しかったんでしょ? あの時は恥ずかしいなんてこれっぽっちも思わなかったでしょう」

その時、信明の両親が立ち上がった。彼らは私の味方をしてくれた。なんと、信明の浮気に最初に気づいたのは彼らだったのだ。家に設置されたペットカメラに、夫と姉の不貞行為が映っていたという。

「べッドカメラによって信明の浮気に気がついたから、なみさんに伝えたのよ」

信明の母・幸恵さんの声は重く、悲しみに満ちていた。

信明は両親にまで見捨てられ、完全に脱力してしまった。そんな中、私は姉のもとへ歩み寄った。

「お姉ちゃん、もう言い逃れはできないわよ」

姉は私を睨みつけ、信じられない言葉を吐き出した。

「私はね、あんたと信明が婚約する前から彼のことが好きだったのよ。あんたが悪いのよ。信明をたぶらかすから」

彼女はずっと私のことを恨んでいた。私が信明と親しくなるたびに、「お似合いだと思うな」と笑顔で言っていたのは、すべて演技だったのだ。

さらに姉は続けた。

「信明があんたと結婚する本当の理由はね、家政婦としてこき使うためよ。信明はいずれ私と結婚するんだから、あんたはすぐに捨てられる運命だったのよ」

しかし、私は知っていた。信明には姉以外にも愛人がいることを。私は静かに口を開いた。

「お姉ちゃんこそ、うぬぼれない方がいいわよ。信明のこと、何も知らないくせに」

「はあ? 何がよ。お姉ちゃん以外にも愛人がいるの?」

その瞬間、姉の体が大きく震えた。信明も顔面蒼白になった。信明の両親が差し出した写真には、信明が別の女性たちと腕を組んで歩いている姿が写っていた。

「違う! これは嘘よ! 捏造よ!」

姉は狂乱し、信明にすがりついたが、彼は何も言えずに黙り込むだけだった。最終的に姉は式場スタッフに連れ出され、その後、会社を辞めてしまった。信明も会社の不正が発覚して解雇され、すべてを失った。

あれから数年。私は信明の両親と良好な関係を築き、少しずつ心の傷を癒やしている。里子ではないけれど、彼らは私を本当の娘のように大切にしてくれる。かつては失ったと思っていた「家族」という存在を、私は再び見つけることができたのだ。

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