同窓会で、高卒の俺を目の前で馬鹿にした高学歴の同級生が「俺のおかげで生きていけるんだろ。感謝の土下座でもしろよ」と言い放った。その瞬間、俺は決めた。お前との取引を終わらせてやる、と。彼は知らなかった。俺が彼の会社の担当者であり、彼の驕りがすべてを台無しにすることを。そして、俺には彼の暴言を収めた証拠動画と、彼の問題行動を知る仲間がいる。この先、彼を待つ結末を想像しただけで、笑みがこぼれた。…

同窓会で、高卒の俺を目の前で馬鹿にした高学歴の同級生が「俺のおかげで生きていけるんだろ。感謝の土下座でもしろよ」と言い放った。その瞬間、俺は決めた。お前との取引を終わらせてやる、と。彼は知らなかった。俺が彼の会社の担当者であり、彼の驕りがすべてを台無しにすることを。そして、俺には彼の暴言を収めた証拠動画と、彼の問題行動を知る仲間がいる。この先、彼を待つ結末を想像しただけで、笑みがこぼれた。...

俺は正太、二十代後半だ。高卒でシステムエンジニアをしている。今は通信キャリア会社に客先常駐でシステム管理を任されている。大学には行けなかったが、その分資格を取ってここまで這い上がってきた。

両親は幼い頃に離婚し、母が一人で俺を育ててくれた。パートを掛け持ちして、休むことなく働き、毎日弁当を作ってくれた。俺より遅く寝て、いつも先に起きていた。だから就職してからずっと仕送りをしている。

俺がこの仕事に就けたのは、高校の担任だった近藤先生の言葉がきっかけだった。「基本情報技術者の資格を取れば、道が開けるよ」と言われ、必死に勉強して資格を手にした。

その日も仕事をしていると、高校の同窓会の案内が届いた。高校時代、俺は人付き合いが得意ではなく、友達も少なかった。迷ったが、近藤先生も来ると聞き、参加を決めた。久しぶりに先生に会って、感謝を伝えたいと思ったのだ。

母に電話で伝えると、「あんた友達いないのに大丈夫?」なんて言われたが、楽しんでおいでと送り出してくれた。お土産話を持ち帰って、母を喜ばせようと心に決めた。

同窓会当日。地元の居酒屋の個室に集まったのはクラスの半分ほどだった。周りは笑い声で溢れているのに、俺は隅で一人ぽつんとしていた。すると、高校時代から親しかった女友達の裕子が近づいてきて、自然と話が弾んだ。俺たちは共通の趣味の漫画の話で盛り上がった。

すると、そこに高学歴の同級生、レンがやってきた。

「おい、正太、久しぶりだな。今、俺は有名大学を出て大手で働いてるんだ。君たちみたいな道は選ばなかったけどな」

聞いてもいないのに自慢を始めた。学生時代からマウント癖があったこいつは、裕子と俺が楽しそうに話しているのが気に食わなかったのか、急に牙を剥いてきた。

「正太、高卒のお前がどこで働いてるんだ?」

「システムエンジニアをしていて、通信キャリア会社に客先常駐しているんだ」

そう答えると、レンの表情が変わった。

「待てよ。お前が通信キャリアに客先常駐してるって、俺の取引先じゃないか」

偶然にも、レンは俺の取引先に勤めていた。面倒になると思い、俺はそのことを話題に出さなかったのだが、酒の勢いもあってレンは調子に乗り始めた。

「おいおい、高卒のお前がそんなとこで働いてるなんてな。俺のおかげで生きていけるんだろ。感謝の土下座でもしろよ」

俺が言い返そうか迷っていると、裕子が先にブチ切れた。

「あんた、さっきから何様のつもりなの? 人のことを馬鹿にするなんて許せない!」

レンは驚いた表情を見せた。ここがチャンスだと思い、俺も口を開いた。

「じゃあ、お前の会社との取引終了で」

レンは一瞬固まったが、すぐに反論してきた。

「そんな権限、高卒のお前にあるはずないだろ!」

ギスギスした空気が流れる中、近藤先生が俺の元へ現れた。

「メグロ君は基本情報技術者の資格を持っている。このような取引先の管理をするのは当然のことだよ。渡辺君、高学歴なのにそんなことも知らないのですか?」

先生の言葉に、レンは怒りを爆発させた。

「俺は高学歴だから、お前らよりも偉いんだ!」

大声で叫び始めたレンは、プライドを傷つけられて完全に取り乱していた。すると裕子がスマホを取り出し、レンの暴言を冷静に撮影し始めた。俺はその様子を見て、レンに告げた。

「レン、今のお前の姿の動画、取引先に送り付けて契約終了するから」

レンは言葉を失った。それ以上何も聞かずに、俺は会場を後にした。

家に帰り、母には「楽しかった」とだけ話した。近藤先生とはもっと話したかったが、あの場で庇ってくれたことが何より嬉しかった。いつか必ず直接会って感謝を伝えようと思った。

後日、裕子からレンの暴言を撮った動画を受け取り、俺は報復を決断した。動画をレンの会社に送りつけると、裕子は「本当にやったの?」と驚きつつも応援してくれた。

さらに、俺はレンが今まで同僚に対して無理難題を要求してきたことを、レンの会社の上司に全て話すことにした。面談の場で、レンの具体的な問題行動を伝えた。

「渡辺さんは、私のメンバーに過度な負荷をかけ、不合理な要求を繰り返してきました。業務上の負荷が非常に高く、能力や時間の限界を超える仕事が日常的に発生しています」

上司は何か言いかけたが、ごまかして「社内で話し合い、結果をご連絡します」とだけ言った。

数日後、レンの上司から連絡があった。

「渡辺さんに関して、問題があることが明らかになりました。彼は以前から社内でトラブルを起こしていたようです。申し訳ございません。担当を変更することにしました」

電話の向こうで、俺は思わずほくそ笑んだ。どうやらレンは、無理な要求を押し付けて経費削減を図り、自分の業績を伸ばして出世を狙っていたらしい。しかし、その策略が裏目に出たのだ。

レンの勤務態度はもともと悪く、仕事のミスも頻発していた。担当を外されたレンは、その後警備の仕事に回されたが、プライドが許せず退職してしまったという。

すべてはあの時、冷静に証拠を押さえた裕子のおかげだ。俺たちは、かつて憧れた漫画のヒーローのように、悪役を懲らしめたんだ。俺は改めて責任と使命感を胸に、より一層仕事に力を注ぐ決意を固めた。

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