正月の朝、私は高熱で震えながらおせち料理を作っていた。夫と義母が「専業主婦のくせに」「使えない嫁だ」と罵る中、私はスマホの録音アプリをそっと起動させた。 「ねえ、お母さん。この家に盗聴器があるって知ってた?」 義母が固まる。私は続けた。 「あなたたちが義父に内緒でやってきたこと、全部録音してあるのよ。今日親族全員の前で流すからね」 夫は顔を真っ青にして叫んだ。 「正気か!?」 私は笑った。…

正月の朝、私は高熱で震えながらおせち料理を作っていた。夫と義母が「専業主婦のくせに」「使えない嫁だ」と罵る中、私はスマホの録音アプリをそっと起動させた。 「ねえ、お母さん。この家に盗聴器があるって知ってた?」 義母が固まる。私は続けた。 「あなたたちが義父に内緒でやってきたこと、全部録音してあるのよ。今日親族全員の前で流すからね」 夫は顔を真っ青にして叫んだ。 「正気か!?」 私は笑った。...

親族十五人が集まる正月の朝、私は高熱を押しておせち料理を作っていた。夫と義母に強いられたからだ。二人とも一切手伝わない。

「専業主婦のくせに体調管理すらできないのか?正月に熱なんか出しやがって。本当にお前は使えない嫁だな」

義母も追従するように言う。

「花子さん、あなた嫁としての自覚が足りないんじゃないの?」

いつもの私なら黙って従った。でも今日は違った。

「もうできてるわ。あとは仕上げだけ。あなたの浮気相手を呼び出したら完了よ」

夫は呆れたように笑った。

「お前何言ってんだ?熱で頭でもおかしくなったのか?」

そう。私は全て知っている。夫が三人の女性と浮気していること。義母が義父から金を騙し取って夫に流していること。夫が会社で部下に仕事を押し付けていることも。

義父が騒ぎを聞きつけてやってきた。夫と義母は私が反論しないのをいいことに、私を心配する優しい夫婦を演じる。

「花子が無理しておせちを作ろうとしてるんだ」

「そうなの。私たちが止めても聞かなくて」

私は義父に告げた。

「お父さん、この二人は嘘をついています。私はずっと二人から虐げられていました」

義父は信じられない様子だった。夫は外面がいい。でも私は録音していた。スマホから証拠の音声を流すと、夫と義母の顔色が変わった。

「専業主婦のくせに体調管理すらできないのか?」
「花子さん、あなた掃除の仕方も知らないの?」
「あなたの分のご飯はないわよ」

義父の怒りは頂点に達した。だが、これで終わりではない。私は親族全員の前で夫の浮気を暴露した。探偵に依頼して撮らせた写真には、夫が女性とホテルに入っていく姿が映っていた。しかも三人の女性と。平日のパチンコ店で浮気相手と会っている写真もあった。夫は会社をサボっていたのだ。

義父は激怒した。

「お前には会社をやめてもらう。親子の縁も切らせてもらう」

義母が夫をかばおうとした。私は止めの一撃を加える。

「お母さん、あなたもお父さんに隠していることありますよね。お父さんに内緒でお小遣いを茂さんに渡していることとか」

最後の録音データを流す。義母が義父から金を騙し取っている会話だった。

義父は二人を勘当した。私は離婚と慰謝料を請求した。数ヶ月後、離婚が成立。夫は会社も首になり、借金まみれになった。義母も離婚され、一人きりになった。

その後、義父から会社で働かないかと誘われたが、私は新しい就職先を決めていた。

「自分の力を試してみたいんです」

別れ際、義父は言った。

「花子さんならどんな場所でもやっていけるよ」

私は新しいスタートを切った。あれから何年も経ったある日、私は病院にいた。夫があなたと別れてから、再婚した相手の家で問題を起こし、離婚。その後、派遣社員として働いていたが、パワハラでうつ病になり、現在は療養中だという知らせを受けたのだ。

「元夫が精神科に入院したらしい。相当症状が重いみたいだ」

私は小さくため息をついた。あの日、おせち料理を準備しながら決意したことを思い出す。私はもう誰にも虐げられない。自分で選んだ道を歩いていく。

元夫が入院している病院に行くと、彼は車椅子に乗っていた。顔はやつれていたが、私を見ても何も言わなかった。

「あなたのせいで人生めちゃくちゃになったんだ」

彼はようやく口を開いた。私は何も言わなかった。ただ、そのまま病院を後にした。

それから数ヶ月後、私はある人物から連絡を受けた。それは元夫の同僚だった。彼が営業先で何かやらかして、仕事を失ったと聞いた。私にとってはどうでもいい話だったが、彼女は続けた。

「あなた、義理のご両親から聞いた?彼、あなたの妹と付き合ってたんだって」

私はその言葉に一瞬固まった。妹はもともと私のことを姉としてではなく敵のように見ていた。私は彼女に近づかないようにしてきた。それなのに、元夫が妹と?

「詳しく聞いてもいい?」

私はようやく言った。

私は妹に連絡を取った。彼女は最初は取り合わなかったが、話を聞くと、元夫が私を離婚した後、彼女に近づいてきたという。私は姉を許す気はなかったが、妹の話を聞くと、元夫が彼女に「君は姉と違って本物だ」と言っていたことが分かった。

私は妹に言った。

「あなたが彼を選んだのは自由。でも私からはもう二度と連絡しないで」

妹は泣いていたが、私は電話を切った。今は新しい仕事も決まり、少しずつ心も落ち着いてきた。あの正月の決定が、私の人生を変えた。後悔はしていない。

Thumbnail