「浮気してるんでしょ?」
夫の両親を交えた食事の場で、私はスマホの画面をテーブルに置いた。そこには、見知らぬ女性と抱き合う夫の姿があった。
夫・ユキトは顔色を変え、義両親は言葉を失った。しかし次の瞬間、夫は冷笑を浮かべて言い放った。
「はッ、よく調べたな。でもな、これが何だってんだ?俺は悪くない。子供が欲しかっただけだ。お前が産めないからだろうが。」
私は拳を握りしめた。長年耐えてきた。彼の前では無能扱いされ、親の前では優しい夫を演じる二面性。不妊の責任を全て私に押し付け、離婚に追い込もうとしていた。
「じゃあ、これはどう説明するの?」
私は鞄から取り出した封筒を開けた。中には、夫と女性、そして赤ちゃんが写った写真。さらに、彼が女性に送ったベビー服の領収書。そして、彼のスマホから同期されたメッセージ履歴。
「レミさんと、妊娠したって喜び合ってるわね。しかも、私があなたの子を産めないからって、最初から離婚するつもりだったんでしょ。」
義両親は絶句した。夫は真っ青になり、言い訳もできずに項垂れた。
「……そうだよ。全部そうだ。でも、俺が悪いんじゃない。お前が女として欠陥品なのが悪いんだ。」
その瞬間、義母が立ち上がった。
「もう十分よ。ユキト、あなたは今日から私たちの息子ではない。出て行きなさい。」
夫は愕然としたが、私は冷静に続けた。
「離婚届、用意してあります。慰謝料も請求します。あなたが私に与えた傷は、お金で償えるものじゃないけどね。」
夫は喚き散らしたが、義父が一喝して黙らせた。その日のうちに、私たちは法的な手続きを終えた。
それから数年後、私は再婚した。今の夫は私の過去を全て知った上で、大切にしてくれる。そして、私は母になった。手作りのベビー服を着せた我が子を見つめながら、あの日離婚を決意した自分を誇らしく思う。
人生は、自分で選び取るものだ。誰かのせいにして終わらせることは、もうしない。



