ビンゴ大会で妻と楽しく司会をしていたら、突然ヤクザの二人組が公園に乗り込んできて「ここは上田組の島だ。撤退しろ」って因縁をつけてきたんだ。頭を下げても収まらず、妻にちょっかいを出してきた瞬間、妻の拳がヤクザのみぞおちに突き刺さった。しかも妻は平然と「組長を呼びなさいよ」って言い放ったんだ。正直、これで終わったと思った。でも、妻がスマホで「お父さん、助けて」って電話をかけた時、俺は妻の正体を知…

ビンゴ大会で妻と楽しく司会をしていたら、突然ヤクザの二人組が公園に乗り込んできて「ここは上田組の島だ。撤退しろ」って因縁をつけてきたんだ。頭を下げても収まらず、妻にちょっかいを出してきた瞬間、妻の拳がヤクザのみぞおちに突き刺さった。しかも妻は平然と「組長を呼びなさいよ」って言い放ったんだ。正直、これで終わったと思った。でも、妻がスマホで「お父さん、助けて」って電話をかけた時、俺は妻の正体を知...

公園でビンゴ大会の司会をしていた俺の背後から、突然怒鳴り声が響いた。「上組の島で何しとんじゃこら。即撤退させろ。組長を呼ぶぞ。」

振り向くと、明らかに極道と分かる風体の男が二人、睨みを利かせながら歩いてくる。親たちは慌てて子供を連れ去り、公園の空気が一瞬で張り詰めた。

「ここは上田組の島なんだよ。勝手なことしてねえで消えろ。」

男たちは俺に因縁をつけてきた。町内会が借りている公共の公園で、イベントをしているだけだと説明しても、聞く耳を持たない。むしろ、俺の後ろで男たちを睨み返している妻・愛に目をつけ始めた。

「姉ちゃん、俺らと遊んでくれよ。美人だからって調子に乗ってると痛い目見るぜ。」

男が愛の肩に触れた瞬間、愛の拳が男のみぞおちに突き刺さった。男は膝から崩れ落ちる。もう一人の男が怒鳴るが、愛は顔色一つ変えない。俺は止めに入ろうとしたが、愛の目がすっと据わった時点で、もう止められないと悟った。

「あんたたち、本当に上田組のヤクザなの? 組長を呼ぶって言ったわね。呼びなさいよ。」

愛がスマホを取り出し、電話をかけ始めた。「あ、お父さん? 今から中町公園まで来てくれない? 上田組のヤクザって2人組に絡まれて困ってるの。」

男たちは「父親が上田組の組長?」と嘲笑ったが、すぐに公園の入り口に黒塗りの高級車が数台止まった。スーツ姿の男たちが降りてきて、その中から年配の男性が現れる。愛の父親で、上田組の組長・リフトヒトさんだ。

「ま、マジだったのかよ…」

男たちの顔が真っ青になった。実は愛は上田組の組長の娘で、兄のリクさんは若頭。俺は愛と結婚するまで、その事実を知らなかった。愛は結婚を機にヤクザの世界から足を洗い、俺と一緒に小さな雑貨屋を営んでいる。

リクさんが男たちを睨みつける。「てめえら、どこの誰だ? 若頭の俺が知らないヤクザなんて組にいないぞ。」

「お、俺たちは…どこかの組の者でもなくて…」

「ほお。ただのチンピラが上田組を語りやがったってことか。上田組の名前を語っただけでなく、大切な家族に手を出したんだ。覚悟はできてんだろうな。」

男たちは土下座して謝罪を繰り返したが、リヒトさんは冷たく部下に命じる。「事務所まで連れて行け。」男たちは半泣きで抵抗するが、車に押し込まれていった。

後日、リクさんから連絡があった。男たちは上田組の事務所でこてんぱんにされた後、俺たちへの迷惑料として5000万円、組の名前を語った謝罪料として5000万円、合わせて1億円を請求された。払えない二人は、上田組所有の海外の工場で働いて返済することになったらしい。言葉も通じず逃げ出せない環境で、今も働き続けているそうだ。

俺たちは町内会の役員に事の経緯と、愛が上田組組長の娘であることを説明した。秘密にしておくわけにはいかない。これまで通りの付き合いができなくなるかもしれないと不安だったが、役員たちは笑顔で「チンピラを追い払ってくれてありがとう」と礼を言ってくれた。俺たちはほっと胸を撫で下ろした。

そして今、俺たちはリヒトさんの家で、お詫びを兼ねた豪華な夕食をご馳走になっている。愛は幼い頃に母親を亡くしていて、リヒトさんもリクさんも愛を過保護なくらい可愛がっている。愛が幸せそうに甘える姿を見て、俺ももっと愛を大切にしようと改めて思った。

すると、愛が突然言い放った。

「ねえ、お父さん。もう少ししたらおじいちゃんになるから、ちゃんと覚悟しといてね。」

「え、は?」

二人がポカンと口を開ける。俺は笑いながら、愛の妊娠を報告した。リクさんはあっという間に号泣し始め、愛に笑われている。リヒトさんは穏やかな笑顔で、「し太君、おめでとう。それに、ありがとう」と俺に言った。

俺はこの人たちとの関係を大切にしながら、愛と生まれてくる子どものために頑張っていこうと心に誓った。

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