「ねえ、それなら子供の世話をあなたがしてくれるの?」と聞いた私に、夫は「母親なんだからお前がやって当然だろ」と言い放った。出産直後の私に全ての家事を押し付け、浮気までしていた夫への復讐。夫がしたことを全て知った私は、親族が集まるお祝いの席で、用意していた証拠を一つずつ明かしていく。夫の「何やってんだ」という顔を見た瞬間、私の心は冷めきっていた。この日を、どれだけ待ち望んだことか。

「ねえ、それなら子供の世話をあなたがしてくれるの?」と聞いた私に、夫は「母親なんだからお前がやって当然だろ」と言い放った。出産直後の私に全ての家事を押し付け、浮気までしていた夫への復讐。夫がしたことを全て知った私は、親族が集まるお祝いの席で、用意していた証拠を一つずつ明かしていく。夫の「何やってんだ」という顔を見た瞬間、私の心は冷めきっていた。この日を、どれだけ待ち望んだことか。

「ねえ、それなら子供の世話をあなたがしてくれるの?」
「は?そんなのやり方わからねえよ。母親なんだからお前がやって当然だろ。」
「あなたも父親でしょ。子育ては夫婦で取り組むべきだわ。だから何度も両親学級に一緒に行こうって言ったじゃない。」
「知るかよ。母親が出ればそれでいいんだ。俺は働くことが最重要な役割だ。誰の金でメシ食ってると思ってんだ。」

数日前、私は無事に双子を出産した。夫の秀樹はお祝いの場を設けてくれた。親族全体を集めた大規模な集まりだと聞き、最初は私のためにそこまでしてくれたのかと感動したものだ。しかし、どうやら言い出した本人が準備をするらしい。

私の体はボロボロで、絶対安静が必要なのは有名な話だ。それなのに、夫の言動からは妻を気遣うというものが一切見られない。もう一度入院しろとでも思っているのだろうか。

「じゃあ、ご両親に手伝ってもらうわね。」
「は?何言ってんだ?父さんと母さんは仕事で海外だろ?」

確かに義両親は海外に拠点を置いて仕事をしている。夫は首をかしげているが、何も知らないのは彼だけだ。私は夫のしでかしたことを全て知っている。そのために、出産という大変な時期を抱えながらも、今日まで必死に準備を重ねてきたのだ。

今からそれを一つ一つ明かしていこう。泣き濡れる日々はもうおしまいだ。

「それじゃあ、ご両親を迎えに行ってくるわね。」

私は一旦席を外した後、年配の男女二人と戻ってきた。
「おい、なんだよ、その二人は。今日は親族の集まる日なんだぞ。そんな場に、どこから来たか分からないような連中を連れてくるなんて、何考えてるんだ。」
「心配しなくても身元は確かよ。こちら、山田洋二さんと奥様の紀子さん。彼らが今日の準備を手伝ってくれるわ。」
「初めまして。お会いできて光栄です。今日はどうかよろしくお願いしますね。」

夫は困惑を隠すことすらしない。一方で、山田夫妻も表面上は丁寧な態度を取っていたが、夫を見る目はとても冷たいものだった。

「ちょ、ちょっと来い。」

夫は私を人目のつかない場所へ連れて行った。
「一体何を考えてるんだ?勝手に他人を家に呼ぶなんて非常識にも程があるだろう。親族にもどう説明するつもりだ?もう時間もない。さっさとあいつらを追い出して、食事の準備を始めろ。」

誰もいなくなると、途端に夫は声を荒げて高圧的な態度を取った。いつもこうだ。でも、今日は押し切られるつもりはない。

「こっちは準備万端よ。あなたを訴えるためのね。あの二人は、あなたの浮気相手の両親よ。」
「な、なんだって?お前、自分が何言ってるか分かってんのか?」
「言葉の通りだけど、何も難しいことは言ってないでしょ。」
「ふざけるな!何が浮気相手だ。ありもしないことをでっち上げるな。」

怒った夫は腕を振り上げたが、何かの気配を感じて、ぴたりと動きを止めた。

「何か大きな声が聞こえたようだが、大丈夫かね?ひょっとして何か問題でもあったのかい?」
「え?ああ、いや、すみません。ちょっと妻と喧嘩になってしまって。出産後ですし、少し神経質になっているようです。」

騒ぎを聞いて色めき立った親族たちに、夫は笑顔を張り付けてごまかそうとする。私は親族たちには柔和に対応しながら、背中に回した手で早く行けとジェスチャーで指示を出してきた。

なんて情けない人だろう。こんな男に今まで従っていたなんて。改めて、復讐したいという気持ちが強くなる。

私は夫が意図した台所ではなく、親族たちが集まる部屋へ赴き、その場に立ち尽くした。
「親族の皆様、本日は私のお祝いのために集まってくださり、誠にありがとうございます。おかげ様で無事、双子を出産いたしました。」

親族たちが大きな拍手で祝ってくれる。いい人たちだ。なぜ夫だけがあのような人間性になってしまったのか分からない。

私は飛び切りの笑顔を張り付け、後ろの人にもよく聞こえるよう声を張り上げた。
「初めての妊娠。それも双子ということで、苦労も人一倍でした。でも、多くの方が私を支えてくれたのです。お父さん、お母さんは海外からいつも温かいエールを送ってくださいました。体にいいものをたくさんいただき、栄養面を気遣ってくださったことは忘れません。もちろん、夫にも感謝しております。…彼がしたのは、駄々をこねることだけでしたけれど。」

和やかに拍手していた親族の動きが止まった。みんな笑顔のまま固まっている。私は構わず笑顔で話を続けた。

「妊娠中はそれはそれは辛いものでした。つわりがひどく、起き上がることさえ困難だったのです。そんな私を夫は労わるどころか、全ての家事を押し付けました。トイレで嘔吐し続けている私に向かって『飯はまだか』と言い、水一滴飲むことができずに倒れている私に『服にアイロンがかかってない』と言いました。点滴を受けるため病院に連れて行ってほしいと懇願する私に、『仕事があるから』と見放したのです。」

親族の中でも、女性たちが顔をしかめ始めた。出産経験者にとっては、いかにひどい話か身に染みるのだろう。

「そんな私に、夫は繰り返し聞かせました。『嫁が妊娠して出産するのは当たり前だ。俺は仕事をして嫁を養ってやっている』と。それらの言葉を盾に、夫は何ひとつ妻である私を労わることなく過ごしました。そして、なんとか出産を終えた今。今度は私のお祝いの準備を私にしろと言ってきております。絶対安静が必要なのに。」

その一言で、親族たちは互いに顔を見合わせた。夫は慌てて私の隣に立つと、軽く深呼吸をしてから、得意の笑顔を張り付けた。

「少し誤解があるようです。確かに私も未熟ゆえ、妻に親切な物言いを一度もしなかったとは言い切れません。しかし、同じくらい、いや、それ以上に妻を労わってきました。残念ながら、妻の中には不快な出来事ばかりが強く印象に残ってしまったようですが。彼女は妊娠出産という命がけの出来事を乗り越えてきたのです。私のことに気を配る余裕がないのは、仕方のないことでしょう。」

夫が少し寂しそうに笑って見せると、途端に親族たちの顔に同情の色が浮かぶ。この、すぐ人を信頼させるスキルには感心する。

「外向きの顔がいいわね。私に対する時とは大違い。みんなに信頼されているのね。さすが、お父さんに会社を任され、若き社長として成果を上げているだけあるわ。これじゃあ、私がいくら訴えたところで、あなたが私に酷いことをしているとは思えないでしょうね。」
「みな、産後で気が立っているのは分かる。でも、あまりみんなを混乱させるようなことを言うものではないよ。後でゆっくり話は聞くから、一度部屋で落ち着こうか。」

夫は優しく私の手を取り、さりげなく話を終わらせようとしている。すると、山田夫妻が部屋の中へと入ってきた。

「その必要はありません。皆様、こちらをご覧ください。」
「おい、あんた。こんなところまで入り込んできて、しかもうちの親戚に何を配ってるんだ。いい加減にしないと訴えますよ。」

そう夫が叫ぶ中、親族たちは困惑した表情を見せつつ、山田夫妻が配ったものを見た。
「これは写真?映ってるの、秀樹君じゃないか。隣にいるのは…皆さんじゃないな。でも、これ…後ろに映ってるのはホテル?」
「え、ちょ、ちょっと見せてください。な、なんだよこれ。なんでこんな写真があるんだ。」

「皆さんご覧の通り、この写真は夫の秀樹の浮気現場です。私は入院前から夫の浮気に気づいており、証拠を集めていました。しかし、私は一人で頑張るにも限界があります。そこで、浮気相手のすみれさんという女性の両親と接触し、協力を仰ぎました。」

「すみれの父、山田洋二と申します。隣にいるのは妻の紀子です。このような場にお邪魔してしまい、申し訳ありません。しかし、どうしても娘の無念を晴らしたく、皆さんに協力することにいたしました。すみれは秀樹さんの会社で社員として働いておりました。不況の中、苦労してやっと入った会社です。それはそれは熱意を持って、毎日仕事に行っておりました。しかし、ある時、すみれはボロボロになって私たちの元へ帰ってきたのです。この男に弄ばれて。」

紀子さんは興奮して言葉をつまらせ、洋二さんに肩を支えられた。洋二さんは紀子さんの背中をさすりながら、夫を睨みつける。

「すみれはある時、私たちに『素敵なご縁があった』と嬉しそうに報告しました。すみれは私たちが年を取ってからできた子です。その報告に、私たちがどれだけ喜んだか。しかし、相手の男、秀樹さんにとってすみれはただの遊びでした。秀樹さんは、あろうことか自身を独身と偽り、無垢で若いすみれを自分のものにしたのです。秀樹さんにのめり込んでいた娘は、彼が既婚者で自分を遊ばれただけだと気づくと、すっかり塞ぎ込んで精神を病んでしまいました。私どもは、秀樹さんを絶対に許しません。」

一瞬にしてその場が静まり返った。親族たちはもう一度写真に目をやってから、黙って夫に視線を移す。そこには、もう先ほどの信頼はひとかけらも感じられなかった。

「皆さん、騙されないでください。私は皆さんと血を分けた身内ですよ。これまで一緒に苦楽を分かち合ってきた仲ではないですか?このような大切な局面で、他人の言うことを信じるのですか?」
「聞き捨てならないわね。山田夫妻だけでなく、妻である私まで他人呼ばわりする気?それなら、私たち夫婦の間にいる親族の半分は他人ということね。」

親族たちも私の言葉に耳を傾けてくれ、夫に冷たい視線を浴びせる。
「ほう。それが君の本音かね?」
「違います!今のは言葉の綾で…」

慌てる夫の肩を、誰かが叩いた。その人物の顔を見て、皆目を丸くする。

「ただならぬ雰囲気の中、失礼するよ。皆様、ご無沙汰しております。」
「え、父さん、母さん、なんでこんなところにいるんだ?」
「大事な用ができてね。緊急で帰国してきたんだ。」
「そうだったのか。それならいいところに帰ってきてくれたよ。助けてくれ。みなが変なことを言い出したんだ。口車に乗せられて、俺を悪者にしようと畳みかけてくる。俺は何も悪いことなんてしてないのに。みなはきっと、おかしくなってしまったんだ。」

義理の両親は愛想を振りまくこともなく、無表情で夫の顔を眺めている。夫はさらに話を続けた。
「ほら、産後とかよく言うだろ。一度病院に行った方がいいかもしれない。専門家に見てもらって、ゆっくりと休ませるんだ。そうしたらきっと、前みたいに俺の言うことを聞いてくれるはずなんだ。」

夫は一気にまくし立てると、乱れた呼吸を整えた。義両親は一貫して無反応を決め込んでいるが、夫はその沈黙を好意的に捉えたようだ。

「親父たちも分かってくれたみたいで嬉しいよ。これで俺も一安心だ。なんだか喉が乾いたな。おい、みな。お茶。」

夫が私に向けて差し出した手に、私は無言でペットボトルを乗せる。少し驚いたようだが、夫は何も言わずに蓋を開けて水を飲み始めた。その最中に、義父が爆弾を投下する。

「秀樹、お前には会社をやめてもらう。首だ。」
「ぶっ!?」

漫画みたいに夫が勢いよく水を吹き出した。近くに座っていた親族が顔をしかめながら、服を拭いている。
「お、おい、親父。一体何を言い出すんだ?その年になって、そんな冗談は似合わないぞ。」
「冗談かどうかは、これを見て判断するように。」
「これって…スマホ?しかも、通話状態?まさか、スピーカー状態?」

「まさか、通話相手は私よ。義両親に電話をかけて、最初から全部スピーカーにして聞いてもらっていたの。」
「な、なんだって?どうしてそんなことを?」
「あなたの本性に気づいた段階で、両親には連絡を入れていたの。一番に相談するべき相手だからね。それに、私は妊娠中にあなたから浴びせかけられた数々の暴言を、しっかりスマホで録音していたのよ。その全てを義両親に聞いてもらったの。そこで、私たちは秀樹に内緒で帰国して、今日、あなたの発言をスピーカー越しに聞いて、その腐った本性を再確認したというわけよ。みなちゃんを疑うわけじゃなかったけど、まさかと思ったわ。だって、自分の息子よ。よく知った声で、次々と酷い言葉が繰り返されるの。この気持ち、分かる?」

「さて、ここからは私たちがお前に問いかける番だ。どうして浮気なんかしたんだ。みなさんは立派に、お前を支えてくれていただろう。」
「そ、その結婚は形だけだったんだ。前々から、俺の将来を気にしているのは分かってたから。とりあえず、みなみたいに地味な女と結婚すれば安心すると思って。」

夫は突如、義両親に縋り出した。
「頼む!首にはしないでくれ!会社にとっても、優秀な人材は必要な存在だろ?なんたって社長なんだ。トップがいきなり首になったら、みんな混乱するじゃないか。埋め合わせは必ずするから!だから、今一度考え直してください!」

その直後、義父は近くのテーブルに拳を叩きつけた。
「バカ者!みなさんを妊娠させておきながら、何も知らない若い子を独身と偽って弄んでいたくせに、いざ自分に責任が降りかかろうとしたら、口先だけで乗り越えようというのか。お前はそれでも人の子か?ふざけるな!トップがいなくなったら混乱するというが、こんな人非人がトップであり続けることの方が、よっぽど恥ずべきことだ。」
「あなたには本当に失望したわ。自分の欲望のままに行動して、人の気持ちを考えることができない。そんな自分勝手なことをする人間に育てた覚えはないわ。人の人生を狂わすことしかしたのよ。分かってるの?それに、『形だけの結婚』だなんて。あなたは、私たちがあなたを思いやる気持ちすらも、コケにしたのよ。家族は社会集団の最小単位だ。この家族すら大切にできない奴に、会社という大きな単位を任せられるはずがない。この決定は絶対だ。あと、もうお前のことは息子だとは思わない。これからは、一人で生きていけ。」
「そ、そんな!そこをなんとか!この通り、何度でも謝るから!」
「謝る相手が違うだろう。」

夫はすぐさま私の前に膝まづいてきた。
「みな、俺が全面的に悪かった!今この瞬間から心を入れ替える!だから、どうか俺の両親を説得してほしい!」
「ふうん。謝るのは私だけなんだ。結果的に浮気だったとはいえ、すみれさんも被害者のはずだけど。」

夫は下唇を噛みしめると、今度はゆっくりと山田夫妻と向き合い、頭を下げた。
「この度は、お嬢様を傷つけてしまい、誠に申し訳…」
「結構です。私たちが求めるのは謝罪ではありません。復讐ですから。」

その言葉に、下げていた頭を少しだけ上げ、夫はものすごい形相で山田夫妻を睨みつけていた。

「やっぱり謝罪なんて形だけなのね。私も全く気が晴れないわ。それに、あなたはまだ、身内をどうにか言い包めれば何とかなると思ってるでしょう?自分のしでかしたことを、すっかり忘れてしまってるようね。お笑いだわ。」

私が不敵な笑みを浮かべると、夫はポカンとした顔で私を見上げていた。
「な、なんだ。もう十分だろ。俺は浮気を認めて、お前ごときに頭を下げたんだぞ。俺以上に何が必要なんだよ。」
「私ね、心を病んでしまったすみれさんにも話を聞きに行ったの。最初は固く心を閉ざしていたけれど、辛抱強く何度も、いかにあなたへ復讐したいかを語っていたら、最終的に全てを話してくれたわ。」
「だから何なんだよ。もったいつけたような言い方すんな。さっさと言え。」
「あなた、会社のお金を勝手に使っていたんですってね。」

夫はさっと顔色を変えた。そして、恐る恐る義両親の方を見た。義両親の視線は、氷のように冷たかった。

「もちろん、その件についても調査を進めているところだ。そう遠くないうちに、はっきりとした結論が出ることだろう。このことだけでも、十分解雇理由になる。」
「つまり、あなたはどちらにせよ、会社を辞めなければならないということよ。浮気は個人的なことかもしれないけど、横領は組織全体に関わることだからね。」
「そ、そんな!ちょっと手を出しただけなのに!」
「どうせあなたのことだから、会社の金は社長たる自分の金みたいな感覚で、気軽に手を出したんでしょ。本当に情けないわ。まさしく自業自得ね。」

私は、未だに座り込んでいる夫の額を、こつんと指で叩いてやった。

「あなたとは当然、離婚するわ。そして、浮気の慰謝料と養育費を請求するから。慰謝料はすみれさんには請求しない約束だから、その分あなたにまとめて支払ってもらうわね。」
「私たちも、秀樹さんに貞操権侵害による慰謝料を請求します。すみれの失われた時間は帰ってきませんから、せめてそのくらいのことはきっちりと。」
「ま、待ってくれ!そんなお金あるわけないだろう!」

夫は周囲を見回したが、返ってくるのは白い目ばかりだった。やがて、親戚たちは一人、また一人とその場を去っていった。中には、私や山田夫妻に労わりの言葉をかけたり、頭を下げていく人もいる。夫に声をかけた人は、誰もいなかった。

その後、私と夫は正式に離婚する運びとなった。慰謝料や養育費も、ほぼ希望通りの額が取れて、ほっと肩を撫で下ろしている。山田夫妻も宣言通り、夫を訴え、会社も正式な調査を終えて、横領したお金の賠償金を求めたと聞く。

夫は借金まみれとなり、私や義理の両親、親族たちに助けを求めてきた。もちろん、手を差し伸べた者はいない。会社も首となった上に、業界中に横領の噂が立ち、夫を雇う企業もない。結局、お金に困った夫は消費者金融に手を出す羽目になり、今は日雇いの仕事で借金のための借金を返す、自転車操業の日々を送っているらしい。

義理の両親は、改めて私に謝罪をしてくれ、夫が私に危害を加えることのないように、しっかりと夫の暮らしぶりを監視してくれている。

そして、私の方はと言うと、あれから数年が経ち、今はフルタイムで働いている。義父が知り合いの会社を紹介してくれたのだ。女性の社長で、なんと女手一つで息子さんを育ててきたのだとか。私の事情に理解を示してくれて、働き方にも随分融通を利かせてもらった。本当に感謝している。この気持ちは、必ずや仕事でお返しするのだと、日々決意を新たにしている。

「ママ、洗濯物畳んでおくね。」
「僕はお片付けするね。」
「二人ともありがとう。ママ、助かっちゃうな。ご褒美に、今日はアイスがあるぞ。」
「やったー!アイス大好き!」
「ママも大好き!頑張ってお片付けするぞ!」
「ママも、二人のことが大好きだぞ。それじゃあ、ママは急いでご飯を作っちゃおうね。今日は二人の大好物の唐揚げだからね。楽しみにしてて。」

双子たちはすくすくと成長し、幼稚園に通い始めてからは、できることもぐっと増えた。今では家事のお手伝いもしてくれて、私のことを支えてくれている。疲れて帰ってくる日も多いけれど、子供の笑顔を見ると途端に癒される。改めて、子供と過ごす時間は宝物だなと実感するし、この子たちを産んで本当に良かったと思っている。仕事しながらの育児は大変だが、双子たちの成長を見守れる人生に一片の悔いもない。この幸せを、これからも大切にしていこう。私は今日も、双子たちの寝顔を見ながら、そう誓うのだった。

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