「これで完璧だ」って、あの新しく来た部長が得意げに言った時、俺たちみんな顔を見合わせたよ。でも俺が「スケジュールがおかしい」って言った瞬間、部長は笑いながら「無名大学出身のくせに、エリートの俺に指図する気か?」って言い放ったんだ。悔しくて、でも何も言い返せなかった。俺は運行管理部の主任で、ドライバーの命を守るのが仕事なのに。それから部長の無茶な指示で、俺は現場に飛ばされて、降格までされた。そ…

「これで完璧だ」って、あの新しく来た部長が得意げに言った時、俺たちみんな顔を見合わせたよ。でも俺が「スケジュールがおかしい」って言った瞬間、部長は笑いながら「無名大学出身のくせに、エリートの俺に指図する気か?」って言い放ったんだ。悔しくて、でも何も言い返せなかった。俺は運行管理部の主任で、ドライバーの命を守るのが仕事なのに。それから部長の無茶な指示で、俺は現場に飛ばされて、降格までされた。そ...

「これで完璧だ。俺がパーフェクトな歯医者を組んだ」

自称エリートを語る部長、飯塚が得意げにそう告げた。内容を確認した俺と課長は、揃って困惑した。むちゃくちゃだとしか言いようがない。指摘すれば、飯塚は露骨に顔を歪め、声を張り上げる。

「頑張れよ。俺をなめようとした瞬間、事件は起きたんだ」

俺の名前は森村。40歳だ。大学卒業と共に入社した運送会社で働いている。18年経った今では、運行管理部の主任だ。運行管理部には、誰がどの車でいつどこへ荷物を運ぶかを組む仕事がある。他にも車両の点検スケジュールなど、ドライバーの安全を管理するのが俺たちの仕事だ。組み方を謝れば、渋滞に巻き込まれたり、休憩時間が削られて体調に響いたりする。だから、大きな変更を組む際は必ず最新の注意を払っていた。

そんな俺たちの日常は、ある人物によって乱されるようになった。その人物とは、半年前に本社からうちにやってきた飯塚という男だ。うちの部署の新しい部長として移動してきたのだが、有名大学出身ということを自慢にしていて、何かと自分をエリートだと誇示する。うちに来た当時も「エリートの俺に、この部署をまとめ上げて欲しいという話があってね」といかにも自分が期待されているといった言い方をしていた。だが、その現場のことは何も知らない。

「ドライバーの休憩時間なんて適当でいいだろう。それより荷物優先だ」

なんて会議中に言い出した時は、話にならなくて、力づくで追い出してやりたいほどだった。それに飯塚は、断るごとに学歴を持ち出し、俺や課長、他の部下に対して「無名大学出身のくせにと」学歴で馬鹿にするような発言も目立つ。

俺と課長が間に入っているため、今はみんなも我慢してくれているが、いずれ飯塚の言動を何とかしなければならないと考えている。現場が分からないにせよ、「まさかあそこまでとはね」と課長も毎日のようにうんざりしているほどだ。課長は俺より少し先輩で、俺が入社した当時から何かとよくしてくれている人だ。温和な人柄で部下から慕われている。ただ、それゆえに弱いところがあり、飯塚にいいように扱われていることも珍しくない。俺も飯塚に振り回されることが多いのだ。

ある日、飯塚の無茶な指示で、俺は現場に出ることになった。飯塚は「お前が現場を知らないからだ」と言い放ち、俺にドライバーの一人として荷物を運ぶように命じたのだ。俺は運行管理の仕事に誇りを持っている。だが、部長の命令に逆らうわけにもいかず、仕方なく現場へ向かった。

現場での作業は、思った以上に過酷だった。飯塚が組んだスケジュールはむちゃくちゃで、休憩時間はほとんどなく、荷物の積み下ろしも乱雑だ。俺は汗を流しながら、ドライバーの苦労を身をもって知った。これでは体を壊すのも無理はない、と痛感した。

そんな時、飯塚が現場に現れた。俺の作業を見て、ニヤリと笑いながら言った。「森村君、君には無理だったか。やっぱりエリートの俺が組まないとダメだな」

俺は腹が立ったが、何も言い返せなかった。悔しさで拳を握りしめた。すると、飯塚はさらに続けた。「どうだ、森村君。お前の仕組んだスケジュールより、俺の方が上手いだろう?」

俺は顔を上げ、飯塚を睨んだ。だが、何も言えずにその場を離れた。後ろで飯塚の嘲笑う声が聞こえた。

その後、俺は運行管理部に戻り、課長に相談した。「課長、このままだとドライバーがやられてしまいます。飯塚部長のやり方はどうにかならないんですか?」

課長は難しい顔で言った。「森村君、私もそう思う。だが、相手は部長だ。簡単には動かせない。お前が現場のことを報告してくれて、助かった。少し時間をくれないか」

俺は頷いた。だが、何かが足りないと感じていた。飯塚のやり方は明らかに間違っている。このままでは、会社の信用も失うし、ドライバーの命も危険だ。俺は自分の信念に従って行動することを決めた。

数日後、俺は飯塚のスケジュールの矛盾を、データで明らかにすることにした。過去の運行記録と比較し、飯塚の指示がいかに非現実的かをまとめた。

会議の場で、俺はそのデータを提示した。飯塚は顔色を変え、「何を言ってるんだ、森村。お前ごときが俺のやり方に文句を言うのか?」と怒鳴った。

だが、今回は俺も引かなかった。「部長、これが事実です。このスケジュールでは、ドライバーが休憩できず、事故のリスクが高まります。私は運行管理の責任者として、このまま放置できません」

その場は騒然となった。課長も他のメンバーも、俺の味方になってくれた。飯塚は歯ぎしりしながら、「お前たち、覚えておけよ」と捨て台詞を残して会議室を出て行った。

だが、その後、飯塚はさらに強硬な手段に出た。なんと、俺の作成した報告書を改ざんして、俺が勝手にスケジュールを変更したと本部に報告したのだ。俺は緊急会議に呼び出され、飯塚は俺を非難した。「森村君、君は自分の都合でスケジュールを無視した。その結果、配達が遅れ、クレームが来ている。どうしてくれるんだ」

俺は証拠を求められ、口籠った。報告書の原本は確かに俺のものだが、改ざんされた後では、どちらが正しいか判断してもらえない。

「そんなことをした覚えはありません。これは捏造です」と俺は言った。だが、飯塚は冷笑した。「捏造?お前が言うか。証拠がないなら、黙っていろ」

その場で、俺は降格処分を受けた。運行管理部の主任から、一般のドライバーに異動させられた。飯塚の思惑通りだった。俺は無力感に打ちひしがれた。

だが、そんな中、課長がこっそり俺を励ましてくれた。「森村君、俺はお前のことを信じている。飯塚のやり方には、多くの問題があると、本部の誰かも気づいているはずだ。辛抱してくれ」

俺はその言葉に救われた。だが、このまま黙って異動を受け入れるわけにはいかない。俺は何とかして、飯塚の不正を暴きたいと思った。

そして、ある日、俺は偶然にも飯塚の過去の資料を見つけた。それは、飯塚が以前働いていた会社でのトラブルの記録だった。飯塚は、自分のミスを部下に押し付けて辞職していたのだ。

俺はその資料をコピーし、本社の人事部に匿名で送ることにした。同時に、自分の報告書の改ざんについても、電子文書の履歴から証拠を集めた。

数週間後、本社から飯塚に関する調査が入った。飯塚は慌てふためき、俺のところに来て詰め寄った。「森村、お前の仕業か。何をしたんだ。やめろ、今すぐ」

俺は落ち着いて答えた。「部長、私はただ事実を報告しただけです。あなたの不正が明らかになるのは、時間の問題でした。私は自分の仕事に誇りを持っています。それを守るために、私は行動しました」

飯塚は悔しそうに顔を歪め、何も言えずに立ち去った。

最終的に、飯塚は会社を辞めることになった。そして、俺の異動も取り消され、運行管理部の主任に復帰することができた。課長は笑顔で言った。「森村君、よくやった。俺はお前の勇気に感謝している」

俺は微笑みながら、窓の外を見た。あの日、飯塚に負けずに立ち向かった自分の姿を思い出していた。何が正しいか分からなかった日々もあった。だが、自分を信じ、信念を貫くことで、道は開けた。

俺は今、再び運行管理部で働いている。飯塚のいなくなった職場は、驚くほど静かで、チームワークも良くなった。ドライバーたちも笑顔を取り戻している。

俺は思う。完璧な歯医者なんて、実際には存在しない。大切なのは、現場を支える人々の命を守ること。それに気づかせてくれたのは、あの飯塚との対立だった。俺は俺のペースで、次の一歩を踏み出そうと思っている。

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