「お母さん、こんなに痩せてどうしたの?」娘の悲鳴が、狭い病室に響き渡った。私は極度の栄養失調で、別人のように変わり果てていた。原因は、貧しさ。でも、なぜ私の口座には一円も残っていない? 娘は毎月、私に十五万円を送ってくれていたはずなのに…。…

「お母さん、こんなに痩せてどうしたの?」娘の悲鳴が、狭い病室に響き渡った。私は極度の栄養失調で、別人のように変わり果てていた。原因は、貧しさ。でも、なぜ私の口座には一円も残っていない? 娘は毎月、私に十五万円を送ってくれていたはずなのに…。...

お母さん、こんなに痩せてどうしたの?

長期の海外ツアーから帰ってきた娘、歩みの絶叫が響き渡った。無理もない。私は何も食べられず、毎日わずかなもやしを口にするだけ。極度の栄養失調で、まるで別人のように変わり果てていた。

「お金がなかったのよ。だから仕方なかったの」

震える声でそう告げると、歩みの顔が驚愕に染まった。

「そんなはずないわ。だって、はみの話によれば、私が不在の間ずっと、毎月15万円の仕送りをしてたはずよ」

しかし、私の手元には1円も届いていなかった。

奪われた通帳、奪われた生活費。

「これからは私がお母さんの面倒を見るから、大丈夫」

歩みの心強い言葉に、私は涙が溢れた。その日から、歩みとの同居が始まり、私はようやく安心した。

しかし、娘の母、江が歩みに繰り返し圧力をかけてきた。

「自分の母親を上にさせるつもりか。口座に入金もない。カードも使えない」

スピーカーで私が聞いているとも知らず、江は歩みに説教を始めたのである。

歩みは何食わぬ顔で「うっかりしてました」と謝った。

全てを悟った私たち。そして、私と歩みの復讐が始まったのだ。

私は田沼ひ子。62歳。数年前に夫を亡くしてからというもの、近所のホームセンターでパートをしながら一人暮らしをしている。一人の歩みは大学を卒業した後、旅行会社に就職し、5年前に、先賢介と結婚した。

賢介は私の弟の会社で課長をしているのだが、その社員旅行で2人は出会ったそうだ。歩みが日々、添乗員として国内外を忙しく飛び回っているせいか、2人の間には子供はいないが、それでも理解ある夫と結婚できて幸せだという。

歩みが幸せな人生を送ってくれていることが、私は何より嬉しい。歩みは一人で過ごす私のことを心配し、仕事の合間を見つけては顔を見に来てくれ、その度に楽しい話を聞かせてくれる。

夫が亡くなった時は、一人で生きていけるのだろうかと心配だったが、歩みのおかげで毎日楽しく暮らせているのだ。

しかし、2ヶ月前、私はうっかり自宅の階段を踏み外してしまった。そのせいで、右足を骨折し、腰椎を捻挫してしまったのだ。

当面の入院生活となった私を、歩みは献身的に支えてくれた。毎日見舞いに来てくれ、仕事の合間を縫って、[音楽]私の世話を焼いてくれた。

そんなある日、歩みが病室に来た時、私は彼女の顔を見て、何かがおかしいと感じた。

「どうしたの、歩み? 顔色が悪いわよ」

「お母さん、聞いて。恵子おばさんに、私が10万円を借りたって言われたんだけど、覚えてないの。でも、私、そんなにお金を借りた覚えはないのよ」

「何ですって? そんなこと、私は知らないわ」

歩みの話によると、恵子は私が入院中に、歩みが彼女からお金を借りたと言い張っているらしい。しかし、歩みは借りた覚えがないという。

「お母さん、もしかしたら、何かがおかしいのかもしれない」

歩みの言葉に、私は嫌な予感がした。

そして、歩みが私の通帳を見せてくれた時、私は驚愕した。

「お母さん、この通帳、見て。毎月、私が送金してたはずなのに、引き出されているの」

通帳には、確かに歩みからの振込記録がある。しかし、その直後に、大金が引き出されていた。

「これは、いったい誰が?」

私は首をかしげた。すると、歩みはため息をついて言った。

「お母さん、恵子おばさんの仕業よ。きっと」

「恵子が? そんなことするはずがないわ。彼女は私の妹よ」

「でも、お母さん、恵子おばさんは昔からお金に執着してたじゃない。私、彼女が怪しいと思うの」

歩みの言う通り、恵子は以前から金銭感覚がおかしかった。夫の葬儀の時も、彼女は請求書をこっそり隠していたことがあった。

しかし、まさか、私の入院中に、歩みからの仕送りを横領していたなんて。

「このままじゃ、私は騙され続けることになるわ」

「お母さん、一緒にやりましょう。このまま黙ってたら、私たちは負け犬よ」

歩みの目は、強い決意に輝いていた。

そして、私たちは復讐を決意した。

まず、私たちは恵子の家に忍び込み、彼女のパソコンを調べた。すると、そこには、私たちへの恨みを綴った日記があった。

「『姉はいつも私のことを馬鹿にしている。だから、この家のすべてを私のものにしてやる』」

「何てことを考えているの。まさか、あの人がそこまでするなんて」

さらに、彼女の部屋からは、預金通帳や、私たちの委任状のコピーまで見つかった。

「これで証拠は揃ったわ。恵子おばさんに問い詰めましょう」

しかし、私たちは、そんな単純な方法では復讐を果たさないことにした。

もっと、効果的な方法を考えた。

「お母さん、恵子おばさんが一番嫌がることをやりましょう」

「嫌がること?」

「そう。彼女は、お金にしか興味がない。だから、彼女から、すべてのお金を奪い取ってやるのよ」

そして、私たちは計画を立てた。

まず、恵子の振る舞いを監視し、彼女が私たちの委任状を使って、私たちの口座からお金を引き出している証拠を集めた。

「これで十分よ」

ある日、私たちは恵子を呼び出し、証拠を突きつけた。

「恵子、あなたが私の口座からお金を引き出していたのね」

「何を言ってるの? 私は何も知らないわ」

「じゃあ、この書類は何なの? 私の委任状のコピーよ。あなたの部屋から見つかったの」

恵子の顔色が一瞬で変わった。しかし、彼女はまだ言い逃れをしようとする。

「これは、あなたが預けたから保管してただけよ」

「嘘よ。あなたは私からお金を盗んでいた。これ、警察に届けるわ」

私は、スマホを取り出して、電話をかけようとした。すると、恵子は土下座して、謝罪した。

「お願い、警察には通報しないで。私が悪かったわ。これからは、ちゃんと返すから」

「あなたは、私たちの信頼を裏切った。もう信じられない」

最終的に、私たちは恵子に、盗んだお金をすべて返させ、二度と私たちに近づかないことを誓わせた。そして、彼女の口座からも、私たちのお金を引き出して、取り戻した。

「お母さん、これで終わりね」

歩みは、にっこりと微笑んだ。

私は、娘と共に笑い合った。

こうして、私たちは、恵子の企みを打ち破り、信頼を取り戻したのだった。

しかし、それから数週間後、恵子が私たちの家の前に現れた。

「姉さん、これ、頼むわ」

彼女は、何かの書類を差し出した。それは、私たちの家の土地の権利証だった。

「何をするつもり?」

「実は、私、多額の借金を抱えてしまって。この家を担保に入れてもらったの」

「何てこと! あなた、またそんなことを!」

私たちは、恵子の行動に愕然とした。しかし、彼女は泣きながら謝罪する。

「お願い、助けて。このままじゃ、私は破産してしまう」

私は、どうすべきか迷った。しかし、歩みは、強い口調で言い放った。

「お母さん、彼女を信じる必要はないわ。私たちは、もう騙されない」

「でも、彼女は私たちの家族よ」

「家族だからって、利用していいわけじゃない。今回は、法的手段に出ましょう」

そして、私たちは、恵子を裁判所に訴えることにした。

その結果、私たちは、恵子からすべての権利を取り戻し、さらに、彼女を完全に追い出すことに成功した。

「お母さん、これで本当に自由よ」

歩みは、私に抱きついて、涙を流した。

私も、彼女を抱きしめて、感謝の気持ちを伝えた。

「ありがとう、歩み。あなたがいてくれて、本当に良かった」

それから私たちは、静かに暮らし始めた。

恵子のことは、私たちの心から消え去り、私は、歩みとの日常を楽しんだ。

一人で生きていくのは、怖かった。しかし、娘の歩みがいてくれる限り、私は何も恐れることはない。

そう思った、その日の夜、私は、窓から見える月を眺めながら、そっと微笑んだのだった。

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