社員旅行で女上司に浴衣を無理やり脱がされ、同僚たちに囲まれて咄嗟に「誰か助けてください!」と叫んだ時、社長の瞳さんが耳元で「私のことは何とも思ってないくせに、そんなに優しくしないでよ」と涙を浮かべて言ったのです。あの日から二ヶ月、なぜか彼女は俺を避けるようになりました。何か俺が悪いことをしたのか、考えるほどに心が締め付けられます。今夜の残業、俺はついに彼女に真実を尋ねることにしました。…

社員旅行で女上司に浴衣を無理やり脱がされ、同僚たちに囲まれて咄嗟に「誰か助けてください!」と叫んだ時、社長の瞳さんが耳元で「私のことは何とも思ってないくせに、そんなに優しくしないでよ」と涙を浮かべて言ったのです。あの日から二ヶ月、なぜか彼女は俺を避けるようになりました。何か俺が悪いことをしたのか、考えるほどに心が締め付けられます。今夜の残業、俺はついに彼女に真実を尋ねることにしました。...

俺は33歳の神平。化粧品会社で働いている。うちの部署に男は俺一人だけだ。

そもそもこの会社に入ったのは、肌トラブルに悩む姉のために何かしたいと思ったからだった。女性だらけの職場は覚悟していたが、想像以上で、力仕事も高い所の物を取るのも全部俺の役目だ。

それでも悪い環境ではなかった。先輩の女性社員は可愛がってくれるし、同年代とは友達のように接してくれる。後輩からは頼れる先輩として見られて、そこそこ楽しくやっていた。

ただ、彼女はいない。職場でそういう目で見られることもなければ、職場以外で異性と出会う機会もない。

いつか彼女ができればいいな、なんて呑気に思っていた俺の小さな願いは、社員旅行をきっかけに叶うことになる。だが、この時はまだ、こんなことになるなんて想像もしていなかった。

ある昼休みのこと。社長の瞳さんが、業績好調の御礼に社員旅行を提案してきた。

「たまにはみんなで温泉なんてどう?」

当然、社員たちのテンションは一気に上がった。俺はその様子を微笑ましく見ながらも、一つの不安が頭をよぎった。

待てよ。旅行に行けばみんな絶対飲むよな。うちの社員って、酔うと相当荒れる人が多いんだよな。

過去に何度か飲み会があったが、その度に下ネタが飛び交い、服を脱ごうとする人までいた。俺という男がいることを完全に忘れて、やりたい放題だった。飲み放題の時間が終われば店を出て逃げられたが、今回は泊まりだ。時間制限もなければ逃げ場もない。

それに化粧品会社だけあって、社員はみんな綺麗だ。そんな女性たちが目の前で卑猥になっていくのは、男にとって地獄そのものだ。

みんなが盛り上がっている中でそんなことを言えるわけもなく、俺は一人で不安を抱えたまま旅行当日を迎えた。

バスに乗って温泉宿に向かい、序盤はお酒も入ってないから普通に楽しく会話していた。温泉を楽しんだり、温泉街を歩いたりしているうちに、あっという間に日が沈み、夕飯の時間になった。

美味しい料理を味わいながら全員で乾杯して、宴会が始まって一時間ほどが過ぎた頃、俺の不安は見事に的中した。みんながどんどん酔っ払っていき、女性たちの浴衣が少しずつ乱れていく。

俺は極力見ないように視線をそらしていたが、その間にも浴衣はどんどんはだけていく。中には完全に見えてしまっている人までいて、俺は一人で慌てていた。

男もいるんだから、ちょっとは意識してくれよな。

時間の経過とともに事態は悪化の一途をたどり、俺は頭がおかしくなりそうだった。これ以上ここにいてはいけないと本能的に感じ、外に逃げ出そうとした。

「あれ? 神平君、どこに行くの?」

瞳さんに声をかけられてしまった。俺は「なんでもないです」と答えたが、社長である瞳さんまでしっかり酔っ払って、目のやり場に困る状態になっている。思わず直視してしまい、俺はついつい興奮してしまった。

まずい。この場から逃げないと。

「どうして神平君はまだ浴衣着てるの?」

「いやいや、逆にどうして脱いじゃってるんですか?」

俺は反射的に突っ込んでしまった。瞳さんは完全に出来上がっている。

すると今度は後ろから突然抱きつかれた。

「神平君、見け」

振り返ると、同い年のエリカさんだった。彼女は胸が大きく、かなり色気のある女性だ。そんな人に抱きつかれて、俺はさらに興奮してしまった。

「神平君も脱いじゃったら?」

エリカさんはそう言いながら、俺の浴衣を強引に引っ張り、俺はほぼ裸の状態にされてしまった。瞳さんに助けを求めようとしたが、彼女はすでに他の社員との話に夢中だ。

自力でなんとかするしかない。そう思ってエリカさんを止めようとしたが、今度は26歳の後輩まで乱入してきた。

「え、なんか楽しそうなことしてるじゃないですか」

「ちょ、これのどこが楽しそうなんだよ」

慌てて止めようとしたが、彼女の大きな声を聞いて、他の社員たちが一斉にこちらを見た。

最悪の状況だ。

みんなが俺のところに集まってくる。

「ちょっと誰か助けてくださいよ」

叫んだが、俺の声は誰にも届かなかった。女性たちは順番に俺の体に触れ、俺はどんどん理性を奪われていく。その中でも特にアグレッシブだったのはエリカさんだ。

「ねえ、嫌じゃないでしょ」

そう聞いてきて、俺が返事をする前にキスをされた。アルコールの味に頭がクラクラしながらも、なんとか自我を保とうとする。体はすっかり反応しているのに、心はまだ揺れていた。

「あら、みんなの体を見てそんな元気になっちゃったの?」

エリカさんが微笑みながら聞いてくる。

「そりゃ、こんなに思いっきり見えてたら」

「じゃあ私がもうちょっと見せてあげよっか」

彼女はさらに挑発的になり、他の社員たちも釣られて俺に群がってくる。まるでハイエナに狙われる獲物のような気分だった。

俺はなんとか下着だけは守ろうと下半身を抑えたが、そんな小さな抵抗はあっけなく打ち破られ、一瞬にして全裸にされてしまった。

「ちょ、ちょっと」

慌てているうちに、周りの女性たちも全裸になっていた。

どうすんだよ、この状況。やばすぎる。

どこに視線を移しても裸の女性しかおらず、俺は困惑するしかできない。エリカさんがもう一度キスをしてきて、耳元で「もう諦めたら」と囁かれた。

ダメだと思いながらも、スイッチが入ってしまった気がした。

「先輩、手が空いてますよ」

困っている俺に近づいてきたのは後輩だった。気がついた時には両足も他の女性に掴まれていて、動きが取れない。自由に動かせるのは左手だけだった。

この左手だけで抜け出せるか。そんなわけもなく、余っていた左手もしっかりと掴まれてしまった。左手の方を見ると、そこには瞳さんがいた。

「あれ? 瞳さん? さっきまで他の人と話してたのに」

「神平君、若い女の子に囲まれて嬉しそうだね」

瞳さんは俺の耳元でそう言った。嬉しいっていうか、むしろ困っているんだが。

「じゃあ、残った左手は私が一人占めしちゃおうかな」

そう言った瞳さんの表情はあまりにも綺麗で、俺は自分の意思に反してついつい頷いてしまった。

しまった。そう思った時には、もう俺の左手は瞳さんの体に触れていた。それによって俺の理性は完全に破壊された。

もうどうにでもなれ。こうなったら楽しむしかない。こんなアダルトビデオみたいなシチュエーションを経験できる人の方が圧倒的に少ない。つまり俺は幸運の持ち主だ。

俺の思考回路は狂ってしまい、そんな結論に落ち着いた。

こうして俺の初めての相手はエリカさんとなり、二回戦の相手は俺の右手を支配していた後輩。三回戦目以降は正直覚えていないが、きっと相当な人数と交わってしまったと思う。

そして、もう動けないと思っていると。

「あれ、もう終わり? 最後に私もお願いしようと思ったのにな」

そう言ったのは社長の瞳さんだった。しかもその表情はどこか残念そうで、悲しそうで、何とも言えないものだった。

これまでの俺の中での瞳さんは、社長ということもあって、いつもかっこよくて、クールで、どんな逆境でも乗り越える、そんな素敵な女性だった。それなのに今日は酒を飲んでいるからか、素直というか可愛さというか、いつもとは違う。

そんな彼女から「私もしたかった」なんて言われたら、断れるはずがない。俺は彼女をそっと抱き寄せた。

「まだ大丈夫ですよ」

優しく言うと、瞳さんの顔は赤く染まり、嬉しそうな顔をした。

その夜、俺は瞳さんの新たな一面に魅了され、彼女と愛し合った。ようやく事態は収束に向かい、みんなは徐々に部屋へと戻っていった。宴会場には俺と瞳さん、エリカさんと後輩だけが残った。

「ああ、楽しかった」

エリカさんが笑いながら言う。

「ちょっとはお酒抜けましたか?」

「多少まだ残ってるけど、少しは落ち着いたかな」

「そうですか。それなら良かったです」

「私も大満足でした。早く彼氏作らなきゃな」

後輩も笑顔で言う。

「ああ、でも神平さんはダメですよ。今日は場の雰囲気でやりましたけど、私、年が近い人がいいので」

別に告白もしていないのに、なんだか振られた気がした。

「君なら可愛いし性格もいいから、すぐに彼氏ができるよ」

二人もようやく部屋に戻っていき、俺もなんとか立ち上がることができた。

「じゃあ、そろそろ僕たちも戻りますか」

瞳さんに声をかけたが、彼女はなぜか俺から視線をそらした。さっきから何かよそよそしい。

「もしかしてどこか痛いですか? 気分が悪いとか?」

尋ねても、彼女は首を横に振ってその場に立ち上がった。足取りもしっかりしている。

それでも気になったので、俺は彼女を部屋の前まで送ることにした。

「じゃあ、おやすみなさい」

そう言って自分の部屋に戻ろうとした瞬間、突然俺の手が掴まれた。

「え?」

驚いて瞳さんを見つめると、彼女は何も言わずにうつむいている。やっぱり今日の瞳さんはどこかおかしい。体調が悪いのか。そう思って俺が彼女の額に手を当てると。

「ちょっと体調が悪いから、一緒に寝てくれないかな」

彼女は顔を赤くしながら頼んできた。後から考えれば彼女の発言が嘘だと一瞬で分かるのだが、この時の俺はただただ彼女が心配で、そんな簡単な嘘すら見破ることができなかった。

俺は慌てて瞳さんの部屋に入り、水を飲ませ、ベッドに寝かせた。要望通り、俺も彼女の横に寝転んだ。

「大丈夫ですか?」

「このまま、抱きしめてくれる?」

俺は彼女を疑うことなく、ぎゅっと抱きしめた。瞳さんは俺の腕にすっぽり収まるほど小柄で細い。普段の印象からは大きく見えるのに、その意外さに少しドキッとした。

しばらく抱きしめていると、彼女が口を開いた。

「今日、たくさんの女の人とあんなことになって、楽しかった?」

「楽しかったというか。いや、まあ最終的には楽しんでしまったんですけど、ただもう一回経験したいかと言われると、ちょっと微妙ですかね」

素直な気持ちを伝えた。

「そっか。じゃあ、誰としたのが一番良かった?」

当然、一番衝撃的で嬉しかったのは瞳さんだ。だが、社長である彼女に媚を売っていると思われるのも嫌だった。

「うん、特にいないですかね」

そう返事をすると、瞳さんは「そ、そうだよね」と言って黙ってしまった。俺は彼女が寝てしまったと思い込み、彼女のぬくもりを感じながら、その場で眠ってしまった。

翌朝、俺は瞳さんよりも早く起きて自分の部屋に戻り、顔を洗い、朝食の会場に向かった。そこにはすでに他の社員が揃っていて、昨日の出来事が嘘だったかのようにみんなケロッとしていた。

俺にとっては普段の職場と変わらないことに安心したが、瞳さんだけは俺と目が合わなかった。いつもなら元気よく挨拶してくれるのに、明らかに態度が違う。俺から話しかけても、どこかそっけない。

刺激的で楽しい社員旅行だったが、瞳さんのことだけが引っかかっていた。

家に帰り、ベッドに一人で寝転んで改めて考えてみた。本当に体調が悪かっただけなのか。でも話すと案外普通だったし、体調は悪くなかったのか。じゃあどうして。

単純に俺とやったことを後悔しているのか? でも俺を求めてきたのは瞳さんだ。

彼女のことを考えれば考えるほど謎は深まり、気持ちはモヤモヤした。

そしてまたいつもの日常が戻ってきたが、瞳さんとの間には壁ができてしまった気がした。今までの態度の違いを感じるたびに、俺の心はズキズキと痛むようになった。いつしか彼女のことばかり考えるようになり、不安や憂鬱な気持ちになることが増えた。

社員旅行から二ヶ月が経過した頃。ある日、俺と瞳さんだけが残業していて、二人きりでオフィスに残っていた。

これ以上一人で悩み続けるのは限界だった。俺は彼女の手を掴んだ。

「瞳さん、ちょっといいですか?」

瞳さんは驚いて俺の顔を見た。

「僕、瞳さんに何かしちゃいましたか? この前の社員旅行の時から、いつもの瞳さんと違う気がして」

俺は素直な気持ちを投げかけた。瞳さんはしばらく黙っていたが、ゆっくりと口を開いた。

「私のことを何とも思ってないくせに、そんなに優しくしないでよ」

彼女は小さな声でそう言った。

「何とも思ってないなら、こんなに瞳さんのことを何日も何日も考えたりしないですよ」

俺はこれまで瞳さんをかっこいい社長だと思っていた。どちらかと言えば、手の届かない憧れに近い存在だった。しかしあの旅行で彼女の可愛い反応を見たり、甘えてきたり、そう思えば突然そっけなくされたり。今まで知らなかった彼女の一面を知ることで、俺は彼女のことばかり考えてしまうようになった。

本当にこんなことになるなんて想像していなかったが、俺は今、瞳さんに本気で恋をしている。

「だって、自分が気になっている人が他の女性とやってるのよ。しかも、いろんな女性と入れ替わり立ち替わりで。私は見ていられなくて顔を背けてたけど、このままだと私だけできないと思って、一生懸命誘ったの。その後も部屋に誘ったのに、私には興味がなさそうだったから、もうあなたのことなんか忘れちゃえって思った。本当はあなたが入社した時から好きだったのに、必死にアピールしても全然気づいてくれないの。神平君は本当に鈍感」

彼女は目に涙を浮かべながらそう言った。

俺はそんな彼女が愛しくてたまらなくなり、気づいた時には彼女を強く抱きしめていた。俺が考えすぎて出した答えが、彼女を傷つけてしまったのだ。あの時、素直な気持ちを伝えればよかったと心の中で後悔した。

思い返してみれば、入社直後から飲みに誘われることもあったし、好きな異性のタイプを聞かれることもあった。でもまさか、かっこよくて美人で社長である瞳さんが俺に好意を持ってくれているなんて想像もしてなかったから、恋愛対象になっているだなんて微塵も感じていなかった。

彼女が泣いている姿を見て心が痛んだ俺は、彼女の頭を優しく撫でて、そっとキスをした。

「瞳さん、もう泣かないでください。俺も瞳さんのことが好きですから」

俺は真剣な表情で彼女を見つめた。瞳さんは驚きながらも。

「私、誰に泣かされてると思ってるの?」

彼女はいつもの強い口調で言った。

「すみません」

「そんな簡単に許せないわ。次は私だけを抱いてくれないと、絶対に許さないから」

彼女があまりにも可愛くて、俺は誰もいないオフィスで彼女と愛し合った。

そしてこの日から、俺と瞳さんの交際が始まった。会社ではかっこいい彼女も、プライベートではとても可愛くて俺に甘えてくれる。そんな彼女と一緒にいる時間は本当に幸せだった。

交際から八ヶ月が経過した頃、俺の彼女への気持ちはより大きくなっていて、彼女にプロポーズをした。彼女は泣きながら喜び、受け入れてくれた。

結婚に向けて準備を始め、会社に報告すると、大勢の社員から祝福された。

「え、あの旅行がきっかけなんですか? じゃあひょっとしたら私たちにもチャンスがあったのか」

「ちょっとちょっと、もう次から彼の前で脱いじゃダメだからね」

瞳さんがそう言うと、オフィス内には笑い声が広がった。

こうして俺たちは無事に入籍した。家族になってからも、俺たちはとても仲良しで、幸せな時間を一緒に過ごしている。今でも彼女は会社ではかっこいい社長で、家に帰ってくると素直で可愛い一面を見せてくれる。そんな彼女に俺は惚れる一方で、結婚した今でも日に日に好きという気持ちが大きくなっている。

今日は瞳さんと一緒に、最近発売されたおすすめの化粧品を姉のところに届けに行く。姉のことを思って入社した会社で、こんな素敵な人と結婚できるなんて思ってもみなかった。

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