同窓会で十年ぶりに会った同級生が、俺の学歴を笑い者にしてこう言った。「高卒のお前が食えてるのは俺のおかげだ。感謝の土下座でもしろよ」 俺は黙って聞いていたが、心の中にはある計画が頭をよぎっていた。高卒の俺でも、この業界で資格を取って必死にやってきた。だから、あの言葉は許せなかった。俺は静かに口を開いた。「じゃあ、お前の会社との取引は終了で」…

同窓会で十年ぶりに会った同級生が、俺の学歴を笑い者にしてこう言った。「高卒のお前が食えてるのは俺のおかげだ。感謝の土下座でもしろよ」 俺は黙って聞いていたが、心の中にはある計画が頭をよぎっていた。高卒の俺でも、この業界で資格を取って必死にやってきた。だから、あの言葉は許せなかった。俺は静かに口を開いた。「じゃあ、お前の会社との取引は終了で」...

同窓会の個室で、久しぶりに会った連は開口一番、自分の学歴と勤め先の自慢話をまくしたてた。有名大学を出て、大手企業で働いている。それはすごいね、と適当に流していると、連は急に矛先を俺に向けてきた。

「し太、お前はどこで働いてるんだよ」

「システムエンジニアをしていて、今は通信キャリア会社に客先常駐で出向してるんだ」

「へえ、高卒でシステムエンジニアって珍しいな」

そう言った後、連の表情が変わった。

「待てよ。お前がその会社に客先常駐で働いてるってことは、俺の取引先じゃないか。おいおい、高卒のお前がそんなとこで働けてるのは、全部俺のおかげだぞ。感謝の土下座でもしろよ」

俺は高卒だが、ここまで必死にスキルを積み、資格を取ってきた。母さんが一人で俺を育ててくれたから、何とかして楽をさせたいと思って働いてきた。それを、目の前のこいつは「俺のおかげで食えてる」と馬鹿にした。

隣にいた裕子が堪えきれずに怒鳴った。

「あんた、さっきから何様のつもりなの?」

連は驚いた顔をしたが、俺はチャンスと思い、静かに言い放った。

「じゃあ、お前の会社との取引は終了で」

連は一瞬固まったが、すぐに怒り狂った。

「そんな権限、高卒のお前にあるはずないだろ!」

すると、高校時代の恩師である近藤先生が俺の側に来て、こう言った。

「梅黒君は基本情報技術者の資格を持っていますから、取引先の管理をするのは当然のことですよ。渡辺君、高学歴なのにそんなことも知らないのですか?」

連は完全にキレて叫び始めた。

「俺は高学歴だから、お前らより偉いんだ!」

裕子は冷静にスマホを取り出し、その様子を撮影し始めた。俺は連に言った。

「今の姿の動画、取引先に送り付けて契約終了にするから」

連が何か言う前に、俺はその場を後にした。

あの同窓会から、俺と裕子は頻繁に連絡を取り合うようになった。連はずっと俺の同僚に無理な要求を繰り返していたらしく、同僚も参っていた。俺は連の上司に面談を申し込み、今までの事実を全て話した。

「渡辺さんは何度も私のメンバーに無理な要求をしてきました。業務上の負荷が非常に高く、能力や時間の限界を超える仕事を日常的に押し付けています」

上司は何か言いかけたが、ごまかして面談を終えた。数日後、連の上司から電話が来た。

「梅黒さん、実は渡辺さんに関して問題があることが明らかになりました。彼は以前から社内でトラブルを引き起こしていたようです。申し訳ございません。私たちは彼の担当を変更することを決めました」

どうやら連は、部下に無理を押し付けて経費削減を図り、自分の業績を伸ばそうとしていたらしい。だがその策略は裏目に出て、信頼を失い、担当から外された。その後、連は警備の仕事に回されたが、そんな仕事は嫌だと自ら辞めてしまったという。

俺は改めて、あの場で冷静に動画を撮ってくれた裕子に感謝した。

「あの場でよくカメラ回そうと思ったね」

「ほら、昔流行った漫画にあったじゃない。証拠動画で権力をくじくって」

俺たちは、かつて憧れた漫画のヒーローのように、悪役をくじくことができたのだ。そして俺は、今度こそ仕事に一層力を注ごうと決意を固めた。

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