「俺の名刺をゴミ箱に捨てて、資料を破り捨てた大企業の御曹司が、まさか自分の父親に『お前が優秀だったことなんて一度もない』と言われるとは思わなかったんだ。しかも、彼が嘲笑った相手は、自分が世話になっている大企業の社長の息子だったらしい。高慢な奴の末路を、ぜひ最後まで見届けてほしい。」 #大企業 #プライド #高慢ちき #契約 #ざまあ #ビジネス #社長 #子会社 #身の程知らず #スカッと

「俺の名刺をゴミ箱に捨てて、資料を破り捨てた大企業の御曹司が、まさか自分の父親に『お前が優秀だったことなんて一度もない』と言われるとは思わなかったんだ。しかも、彼が嘲笑った相手は、自分が世話になっている大企業の社長の息子だったらしい。高慢な奴の末路を、ぜひ最後まで見届けてほしい。」 #大企業 #プライド #高慢ちき #契約 #ざまあ #ビジネス #社長 #子会社 #身の程知らず #スカッと

「俺は超天才だから、見なくても分かるんだよ。お前みたいな若造が来る時点で、この会社は無能揃いだってな。」

そう吐き捨てたのは、大木社長の息子、大樹。俺が訪問したのは、大橋商事という物販会社。うちの会社が開発した最新システムを売り込むための商談だった。

俺は松井コーポレーションの子会社社長。とはいえ、まだできたばかりの小さな会社で、社員は数人しかいない。それでも、いい製品を作れている自負はあった。

「あなたと僕は同じ年くらいだと思うんですが…」

「俺は社長の息子なんだぞ。天才イケメンの高橋大って名前を聞いたことがないのか?」

「申し訳ありませんが、全く。」

「俺を知らないとか、これだから無能は困る。」

大樹さんは苛立っているようで、眉間にシワを寄せ、貧乏ゆすりをしながらグチグチと小声で吐いた。文句があるようだが、俺は彼のことを本当に聞いたことが一度もない。自分でイケメンとか天才とか言っていて、恥ずかしくないのだろうか。というか、本人には言えないが、全くイケメンではないため、さらに困惑してしまった。

ここは笑うところか、突っ込むべきか。そう考えていると、「パパから色々と教わってるから、仕事のことは何でも分かるんだよ。だから、てめぇの企業はこれからすぐに潰れるって分かるんだ」と言い出した。

この男は何の根拠を持ってそんなことを言っているんだ。だんだんと腹が立ってくる。大事な商談相手だからと思って下手に出てはいたが、馬鹿にされ続けて我慢の限界に近づいてくる。しかし、ここで怒鳴ったりしたら本当に相談が失敗になってしまうため、我慢して「少しでもいいので、製品を見てはいただけませんか」と言った。

きっと自分のことを天才だというのなら、うちの製品の良さを見たら考え直してくれるかもしれない。そう思って、製品の説明が書かれた資料を渡した。しかし、大樹さんは「こんなもの見るか」と受け取ってすぐにビリビリと破って、その場に投げ捨てた。そして俺の腕を掴み、「お前はさっさと出て行け。この底辺が」と怒鳴り、部屋から追い出す。

話も聞いてくれず、初対面の俺を見下してくるため、もう諦めた方がいいのではと考えてしまう。そのため、「はい、分かりました」と仕方がないという感じで答えた。何を言っても無駄なら、いつまでもここで説得をしようとしても時間がもったいないだけだ。

社員たちから期待されていた分、失敗したことをみんなに伝えにくいが、仕方がないだろう。俺はそう思って部屋から出て、出口に向かおうとする。そんな俺を見て、大樹さんはゲラゲラと笑いながら「一生来るなよ、底辺企業。もし来たらパパに頼んでお前の会社を潰すからな」と大声で言った。

さすがにイラッとして何か言い返そうとそちらを振り返ると、大男が大樹さんの後ろに立っているのが見えた。そのため、俺は少しまずいことになったのではと思って顔色を悪くする。すると大樹さんは「何を怯えてるんだよ。クソだせぇ」とまた笑い出した。

俺は恐ろしくなってきて、「あの、後ろに…」と大樹さんと後ろにいる人を見つめたまま伝える。すると、やっと俺が別のものを見て顔色を変えたのだと理解したのか、大樹さんも後ろを振り返った。そこには大男がいて、大樹さんは固まってしまう。

180cmを超える慎重にスーツを着ていても分かる筋肉。そしてその見た目以上に、大男の顔が鬼の形相をしているため、大樹さんはだんだんと青い顔をしていく。しかし、そんな大樹さんの心情なんか無視して、「お前のパパはどこだ」と男は聞いた。その言葉に、大樹さんは「へっ」とすっと声を出す。すぐに答えない大樹さんに、男は「お前の父親に話がある。今すぐ呼び出せ」と低い声で言った。

そのため、大樹さんは勢いよく「分かりました」と返事をして、会社の奥に走っていった。それから数分後、ずっと走っていたのか、息切れした大樹さんと彼の父親でこの会社の社長である大橋社長がやってきた。なんだか大橋社長の顔色も悪いように見える。

大橋社長は大男を見て、「松井社長、お待たせして申し訳ありません」と頭を下げた。それを聞いて、大樹さんは「パパはこの人知ってるの?」と聞く。

「お前は知らないかもしれないが、この人はうちの会社と何年も取引をしている、松井コーポレーションの社長の松井裕二さんだよ。」

「え、あの大手も子会社を持ってる大企業なの?俺もその会社なら知ってるし、取引してることも聞いてるよ。」

大樹さんは大橋社長の言葉に驚いて、「まさかここにいるなんて」とつぶやいた。それを皮切りに、大橋社長は「ご足労をいただきありがとうございます。予定より早くにいらしたので驚きました」とへこへこと腰を低く話す。そんな彼らに、松井社長は「そんなことよりも、大橋社長の息子さんがうちの子会社に向かって随分な態度を取っていたことに対して、話がしたいんですが」と言った。

その言葉に、大樹さんは「へっ」とまたすっと驚いた声をあげて、大橋社長は「何ですかそれは」と声を荒げた。

「大樹さんは、俺の務める会社が松井コーポレーションの子会社だと知らなかったよ。」

信じられないと言わんばかりの顔をして、だんだんと顔色を悪くしていく。それを見て、大橋社長は「どういうことだ」と大樹さんに怒鳴った。

実は俺の会社は最近できた会社。そのため規模は小さいが、松井コーポレーションの後ろ盾があるため、資金をそこまで気にせずいい製品を作ることができている。まだ進行企業のため、大樹さんが知らないのも当然かもしれないが、有名ではないからと見下しているのはおかしいと、松井社長は思っているようだ。大樹さんが先ほど俺に対して言った言葉に相当腹が立ったのか、「うちの信頼している製品と息子に偉く馬鹿にした物言いをしてくれたものだ」と眉間にシワを寄せてギロリと睨みつけている。

「息子」という言葉を耳にして、大橋社長は「えっ」と大きな声を出して驚いた。実は俺は松井コーポレーションの社長の息子。父から「子会社を新しく作るから、お前に任せたい」と言われて社長に就任した。ずっと父の後を継ぐために勉強してきて、少しは俺のことを信頼してくれているのだと嬉しく思い、すぐに社長になることを了承した。普通に考えれば社員は少ないけれど、みんな優秀だから予定以上の出来の製品を作ることができ、すでに大橋商事以外の会社との契約を済ませている。今日は記念すべき10社目だと思っていたのだが、大樹さんに拒否されてとても悔しくて腹立たしい。

うちの製品が全くの不評だったのなら、改善しようという気になれる。しかし、何も資料を見ず、俺の話も聞かずに追い出されたのだから、立腹しても仕方がないというものだ。俺と松井社長の関係性や俺の会社の成り立ちを聞いて、大樹さんは真っ青な顔をしてガタガタと震え出した。

それを見て、大橋社長は「大樹、お前は一体何をしたんだ」と息子の肩を掴んで大声で怒鳴る。大樹さんはそれに首を振りながら「俺は何も…」と小さな声でつぶやいた。その言葉にさらに大橋社長は眉間にシワを寄せる。

「何も知らないって言えるのか?お前が今日の商談の担当者だっただろう。」

「俺はちゃんと相談してたんだよ。」

「僕の名刺をゴミ箱に捨てて、資料を破ったのが、ちゃんとって言えるんですか?」

「そんなことをしたのか。」

俺の質問に、大橋社長は目を大きく見開いた後、大樹さんを睨みつける。そのため、大樹さんは「余計なことを」と文句を言いたいような顔をしながら俺のことを見てきた。しかし、すぐに「お前はなんてことをしているんだ」と大橋社長に怒鳴られてしまったため、視線を目の前にいる自身の父親に移す。

「俺はこいつが言うようなことはしていないよ。パパだって俺が優秀だから、絶対に相談を台無しにしないって分かってるだろう。」

「いや、お前が優秀だと思ったことは一度もない。」

大橋社長の言葉に、大樹さんは目を見開き、驚きすぎて声も出なかった。俺も同じように驚いてしまう。大樹さんは自信満々に自分のことを天才と言っていたし、社長の息子としてたくさんの勉強をしてきたとも話していた。だから、大橋社長は息子としてだけでなく社員としても信頼しているのだと思っていたのだが、違ったみたいだ。

今も驚き続けている大樹さんに、大橋社長は「お前が優秀だったことなんて、一度もない」とさっきよりも力強く言った。そのため、大樹さんはさらに驚き、「どういうことだよ」と騒ぎ出す。

「お前は勉強をやらせても全然ダメだっただろう。」

「ちゃんと言われた大学を卒業したじゃないか。」

「ギリギリで合格だったな。小さい頃から家庭教師をつけたり塾に行かせたりしたのに、集中力が持たず遊んでいたのは知ってるんだぞ。」

「それは今言うことじゃないだろ。」

「そうだな。つまり何が言いたいかと言うと、社会人になっても全然成長していないお前に、何も期待していないということだ。」

「嘘だろ?」

大橋社長の言葉に、大樹さんは相当ショックを受けたようで固まってしまう。しかし、それならどうして商談を一人で任せたりしたのだろうか。俺は不思議に思って、疑問をぶつける。

「少しは責任感とやる気を持ってくれたらと思ったんだ。」

そう言って、大橋社長は申し訳なさそうな顔をした。それを見て、父は「気持ちは分かる」と頷く。父も俺を成長させるために会社を任せたし、社長として父親として同じようなことを考えているのだろう。俺と大樹さんの違いは、父親のように立派な社長になることを目標にしているかどうかかもしれない。

大橋社長は頭を下げて、「うちの愚息が申し訳ありませんでした」と謝罪した。それに父は、「あなたの息子さんのような社員がいる会社とは、取引したくないと思ってしまいました」と話す。松井コーポレーションと大橋商事も取引をしているため、これからのことを考えると不安になったのだろう。父は社員を大事にする人だから、大樹さんに社員を傷つけられると思ったに違いない。

「と話すと、大樹さんは傷つけるなんてそんな…」と言い訳をしようとする。しかし、すぐに父は厳しい顔で、「先ほど社長にしたことを忘れたとは言わせないぞ」と言って睨みつけた。

「録に話も聞かずに名刺をゴミ箱に捨てたり、資料を破り捨てられて、全く傷つかないと思うのか。」

その父の言葉に、大樹さんは顔を伏せて黙った。それを見て、父は「うちの子会社は息子が経営しているから信頼していいです。だが、本社で使えない製品だと判断したら、商談を拒否してもらっても構いません。俺の息子だからと言って、援護することはないですよ」と大橋社長に言った。その言葉に、大橋社長は「承知させてください。もちろん私が相手をします。もちろん松井コーポレーションさんとの取引にも、こいつは関わりません」と言ってくれる。

俺はすぐに「ありがとうございます」と返事をして、相談の機会を得ることに成功してほっとする。父も大樹さんと関わらないで済むと分かり、安心している様子だ。そして、大橋社長は大樹さんに向き直り、「お前にはしっかりと罰を与えるからな」と伝えた。そのため、大樹さんは青い顔をしてバッと顔を上げる。信じられないという様子の大樹さんだが、大事な相談で問題行動をしたのだから当然のことだと、大橋社長は話した。そして、今までの行動も調べて厳重に対処すると言って、もう一度俺と父に頭を下げた。

「二度と俺たちの会社に関わらせないことを誓う。」

大橋社長がそう言うと、大樹さんは勢いよく頭を下げて「すみませんでした」と大声で謝罪した。今更何だと思ったが、大橋社長に今までのことを調べると言われた時に様子がおかしくなったことから、何かやましいことをしてきたのだろうと察する。それは父たちも同じだったようで、今すぐ調べようと大橋社長が行動し始めた。絶望した顔をして止めに入ろうとする大樹さんだったが、無駄な足掻きだったようで。大橋社長は「今日はもう帰れ」と厳しい口調で大樹さんに伝えて、すぐに彼をビルから追い出した。

その後、聞いた話だが、大樹さんは普段から社員のことを見下したりと、多くの害を加えていたことが分かり、解雇されたようだ。大橋社長は息子の成長を願って色々と仕事を任せようとしていたみたいだが、大樹さんは自分は天才なのだと勘違いをしてしまったらしく、余計に周りに迷惑をかけるようになっていたらしい。大橋社長は「失敗だった」と落胆して、迷惑をかけたと社員たちにも謝罪して回っていたようだ。

大樹さんは解雇された後、両親に愛想を尽かされて家を追い出されたため、すぐに働き口を探したらしい。しかし、給料がいい大企業に入社しようとしたり、面接で「自分は天才だから何でもできる、すぐに役職をくれ」などと言ったりしたことから、不採用だったのだとか。そのため、生活のためにスーパーでアルバイトをしているらしい。全く仕事ができないため、先輩や店長たちに説教されてストレスが溜まっているという話も聞いた。プライドも高いため、アルバイトをやめるのも時間の問題だろうと噂されている。

一方、俺はあの後、大橋社長との相談を成功させて、無事に契約することができた。父も喜んでくれた。これからもっと会社を大きくしようと努力するつもりだ。

Thumbnail