入院中、中庭のベンチで出会った青白い顔の女性。毎日話すうちに、彼女に恋をした。でもある日、彼女は突然冷たい態度を取り、姿を消した。数日後、深夜に病室の扉がノックされた。彼女が立っていて、こう言った。「こんなこと、あなたにしかお願いできないから。」そのお願いを聞いた瞬間、俺の人生は大きく変わった。 コメントで続きを教えてください。

入院中、中庭のベンチで出会った青白い顔の女性。毎日話すうちに、彼女に恋をした。でもある日、彼女は突然冷たい態度を取り、姿を消した。数日後、深夜に病室の扉がノックされた。彼女が立っていて、こう言った。「こんなこと、あなたにしかお願いできないから。」そのお願いを聞いた瞬間、俺の人生は大きく変わった。 コメントで続きを教えてください。

仕事の外回りを終えて会社に戻る途中、信号のない交差点を歩いていた。突然、大きな衝撃が体を襲い、視界が回転した。次に目が覚めたとき、そこは病院のベッドの上だった。全身に激痛が走り、医師からは両腕の複雑骨折で、半年以上の入院が必要だと言われた。

最初の数日は両親や同僚がお見舞いに来てくれたが、一ヶ月も経つと誰も来なくなった。両手が使えず、できることは限られていた。唯一の楽しみは、病院の中庭を散歩することだった。

ある日、いつものようにベンチで休んでいると、一人の女性が近づいてきた。彼女は一目でわかるほど顔色が青白かった。

「あの、こちらに座ってもいいですか?」

「え?ああ、どうぞ。」

彼女は隣のベンチに座り、ため息をついた。

「すみません。私みたいな幽霊みたいな女が隣に座るのは嫌ですよね。」

「そんなことないですよ。むしろ、こんな美人さんと一緒にいられて光栄です。」

「口がうまいんですね。」

「本音ですよ。」

彼女は自分を卑下する言葉ばかり口にした。俺は思わず言った。

「なんでそんなに自分を貶すんですか?本当に綺麗だと思いますよ。」

彼女は少し驚いた顔をして、微笑んだ。

「あなた、優しいんですね。あの、明日もこうしてお話ししてもらえますか?」

「もちろんです。」

翌日から、俺と水希さんは毎日ベンチで会うようになった。最初はお互い緊張していたが、次第に打ち解け、冗談を言い合える仲になった。水希さんはたくさんの本を読んでいて、話すたびに新しい知識を与えてくれた。俺は彼女と過ごす時間が、入院生活の最大の楽しみになっていた。

季節が冬に変わる頃、俺の怪我もだいぶ回復し、来月には退院できると言われた。そんなある日、水希さんの様子がいつもと違った。暗い表情でベンチに座っていた。

「水希さん、こんにちは。今日は寒いですね。」

「これくらい平気よ。」

昨日まで寒い寒いと言っていたのに、彼女はそっけない態度で、すぐに病室へ帰ってしまった。

翌日、俺は毛布を持ってベンチに向かった。水希さんは来ていた。毛布を渡すと、彼女は突然涙を流し始めた。

「どうして、昨日あんな態度を取った私に優しくしてくれるんですか?」

「昨日は寒かったから早く帰ったのかと思って。だから今日は少しでも長く話せるように毛布を持ってきたんです。」

水希さんは涙を拭い、静かに話し始めた。

「実は、昨日主治医から余命宣告をされました。長くて2年、早くて半年。それで、大輔さんがどんどん回復していくのが羨ましくて、嫉妬してしまったんです。大輔さんが退院したら、もう会えなくなると思うと寂しくて。だったら嫌われてしまおうと思って、あんな態度を取ったんです。」

俺は何も言えなかった。彼女に何ができるわけでもない。ただ、自分の無力さを思い知らされた。

「すみません。俺、自分のことばかりでした。」

そう言って、俺は初めて彼女より先にベンチを離れた。

その後、水希さんはベンチに現れなくなった。看護師さんから、彼女がまともに食事も取らず、夜中に泣き叫んでいるという噂を聞いた。看護師さんには「彼女が自分から姿を見せるまで待ってほしい」と言われ、俺は毎日ベンチで待ち続けた。

それから数日後、深夜、病室の扉をノックする音で目が覚めた。足音が近づいてくる。幽霊かと思ったが、聞き覚えのある声がした。

「ねえ、大輔さん、起きてる?」

「水希さん!どうしたんだ?こんな時間に。」

彼女はベッドの隣に座り、真剣な顔で言った。

「大輔さん、一つだけお願いを聞いてくれない?」

「俺にできることなら何でもするよ。」

「こんなこと、あなたにしかお願いできないから。私として…」

「え?何を?」

「大人の男女がするあれよ。」

「水希さん、本気で言ってるの?」

「もちろんよ。大輔さんと出会って、初めて生きたいと思えたの。だから、思い出をください。」

俺は彼女の唇にそっとキスをした。そして、その夜、俺たちは愛し合った。

行為の後、水希さんはぽつりと言った。

「実は、手術を受ければ成功する可能性があるの。成功率は30%くらい。でも、失敗したら終わりを待つだけ。今までは怖くて受けられなかったけど、大輔さんから勇気をもらったから、受けてみようと思う。」

「そうか。じゃあ、手術が終わったら、水希さんのやりたいことを全部叶えるよ。リストにしてくれないか?」

「分かった。じゃあ、明日いつもの時間にベンチで待ってて。絶対に行くから。」

翌日、水希さんは車椅子で現れた。昨日の痛みが強くなったらしい。彼女はリストを渡してくれた。

「今は見ないで。病室に帰ってから見てね。」

病室でリストを開くと、そこには「退院の日に花束をもらいたい」と書かれていた。

それから俺は退院し、会社に復帰した。水希さんの手術の日、俺は病院へ向かった。廊下で水希さんの両親に会い、深く頭を下げられた。

「娘に勇気をくれてありがとうございます。」

「俺の方こそ、水希さんに出会えて楽しい入院生活が送れました。もし許されるなら、リストに書いてあることを叶えたいんです。」

「君のおかげで水希は手術を受ける決心ができました。ただ、君は大きな覚悟が必要だ。水希は手術が成功しても、長くて30年、短くて10年しか生きられないだろう。」

「はい。それでも、俺は水希さんと一緒にいたいです。」

手術は成功した。3ヶ月後、水希さんは一時退院の許可が下りた。俺は病院の前で大きな花束を持って待っていた。

「水希さん、退院おめでとう。これ、約束の花束だよ。」

「ありがとう。でも、周りの目が恥ずかしいわね。」

「分かるよ。さっきまで俺も同じこと考えてたから。」

俺は水希さんの手を取り、タクシー乗り場へ歩いた。リストにはまだたくさんのやりたいことが書いてある。その中には、二人の将来のことも。俺はこの手を一生離さないつもりだ。

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