大将に「また来ます」と告げて店を出ようとした瞬間、背後から女の声が飛んできた。「次に来る約束なんてできるわけないじゃん。有名大企業の次期営業部長候補の旦那が、あんたみたいなのが来る店になんて、一生来るわけないんだから」。振り返ると、そこにいたのは高校時代に俺を「ネズミ」と呼び続けた坂神ミチルだった。カウンター越しに大将が用意してくれた珍しい魚も、一瞬で味が消えた。彼女は夫と共に店を追い出され…

大将に「また来ます」と告げて店を出ようとした瞬間、背後から女の声が飛んできた。「次に来る約束なんてできるわけないじゃん。有名大企業の次期営業部長候補の旦那が、あんたみたいなのが来る店になんて、一生来るわけないんだから」。振り返ると、そこにいたのは高校時代に俺を「ネズミ」と呼び続けた坂神ミチルだった。カウンター越しに大将が用意してくれた珍しい魚も、一瞬で味が消えた。彼女は夫と共に店を追い出され...

カウンター席から立ち上がり、俺は財布をしまうのが惜しいような気持ちで大将を見上げた。何度来ても、この店の空気は好きだ。だが今夜は、あの男が現れたことで、もう長居はできそうになかった。

「大将、また来ますね。お造り、うまかったよ。大将にもよろしく伝えてくれ」

俺がそう言って去ろうとすると、背後から女の声が飛んできた。「なに格好つけてんのよ? 次に来る約束なんてできるわけないじゃん。有名大企業の次期営業部長候補の旦那が、あんたみたいなのが来る店になんて、一生来るわけないんだから」

振り返れば、見覚えのある顔がにやにやと笑っていた。ミチル。坂神ミチル。高校時代、校内でも有名な美人で、誰もが知っている存在だった。その彼女が、今もこうして、昔と変わらず俺を見下してくる。

「坂神さん。ここが格式の高い店だと分かっているなら、言っていい言葉と悪い言葉の区別くらい、身につけておくべきだったね」

俺はそれだけ言い残して、店を後にした。後ろで何か叫んでいる気配がしたが、振り返る気にはならなかった。

昔話を始めると、俺は岩渕孝太。四十五歳の、特に何の取り柄もない男だ。楽しみといえば、生きのいい魚を出すこの店の片隅で、刺身をつまみに日本酒をちびちびやることくらいだった。

ここ数ヶ月、事情があって店に来られなかったが、久しぶりに顔を出すと、大将は痩せた俺を心配し、カウンター越しに話を聞いてくれた。今日来ると連絡してあったので、珍しい魚を用意してくれていた。倉元から木が入ったというので、木まで振る舞われた。いつも世話になっていると、心から思う。

あの夜、大将が料理人に呼ばれて厨房へ引っ込んだときだった。「ねえ、あんた、岩渕でしょう? 」

隣の席から、声をかけられた。酒の勢いもあったのか、女はぐいっと俺に顔を近づけた。「ああ、やっぱり。岩口だわ。相変わらず、ネズミみたいな品のなさね」

思い出したくもない過去が、どっと蘇ってくる。高校時代、俺は「ネズミ」というあだ名で呼ばれていた。教室の隅で小さくなっていた、目立たない生徒に、そんな名前を付けたのは、ミチルただ一人だった。校内で才色兼備と持て囃された彼女だけが、俺をそう呼んだ

「あんた、何様? ネズミのくせに、なんでこの店にいるのよ。んなあんたみたいな客がいる店なんて、私知らないわ」

俺はだんまりを決め込んだ。ミチルは連れの男性と一緒で、下品な香水の匂いを振りまいていた。本当に、こいつは高校時代から何も変わっていないのかと思った

「結婚なんてしてないでしょ。っていうか、あんたみたいなネズミがこの店に入る資格があったの?

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なんだそれ? こいつ貧困のくせに、金持ちしか通えない私立高校にいたのよ」

「ええ、てことは頭良かったのか? 」

「さあね。私はこいつに興味なかったし、もっと言えば、私こそが修催だと思ってたわ」

「だよね。ミチルがこんなネズミに興味を持つわけがない」

「行けてないっていうか、今で言う陰キャっていうの? 本当に、教室の隅っこでネズミみたいに潜んでるのよ」

「そりゃ受けるな」

「卒業後就職したみたいだけど、その私立高校で進路が就職って言ったら、ドロップアウトでしかないのよ」

ミチルの左手の薬指には、指輪が光っていた。連れの男性は、どうやら夫のようだ

「ねえ、この店の格式、分かってる?

あんたみたいな中太郎が来れるような店じゃないのよ? ネズミだから、ち太郎か」

「私の旦那様、昇進確定なの。有名大企業の営業部長候補名簿に、記載されたんですって。だからお祝いに、この店に来たのよ」

夫は、格差自慢がしたいのか、にやにやと笑いを浮かべている。だが裏を返せば、営業部長に推挙されなければ、この夫婦がこんな店に足を踏み入れることはなかったということだ。その証拠に、両亭の女将がミチル夫婦の元にやってきて、こう告げた。

「愛肉のご予約が、いっぱいでして」

入店を断られていたのだ。夫は「隣のカウンター席でもいい」と言ったが、女将は「こちらはご予約席でございます」と、きっぱり断ってくれた。これは、俺が一人でいることに対する、この店の心遣いだった

「なんだよ。ネズミがこの店で酒を飲んで、俺らは門前払いかよ。この店、今に潰れるぞ」

俺はため息をついた。ミチルもミチルだが、夫も夫だ

「女将さん、悪いけど、急用ができたから、お会計頼んでいいかな」

「あれ? 逃げるの? ネズミちゃん。俺らのために席を開けてくれたのか?

悪いね、ネズミ君」

女将は、俺が機嫌を損ねたのではと、いたく恐縮していた。大将と二人で詫びを入れようとしてくれたが、俺は本当に用事ができたのだと、精一杯フォローした。「また来ますね。お造り、美味しかったよ。大将によろしく伝えて」

そう言って、俺は両亭の暖簾をくぐった

実際のところ、俺が急に店を後にしたのは、書類を見直すためだった。明後日の会議に必要な書類を、どうしても確認したかったのだ。夜遅い時間で申し訳なかったが、俺はとある人物へ電話をして、ちょっとした頼み事をした。相手からはすぐに、詳細な書類がメールで送られてきた。追加で取り寄せた書類を見て、俺は確信した

翌朝、両亭の大将から詫びの電話が入った。「もっとゆっくりして欲しかったのに、申し訳ない」

「ああ、いいんですよ、大将。もう少し気を堪能したかったというのが本音ですがね。今週は会議などがあって、そちらに伺いませんが、来週末に時間が取れるので、必ず伺いますよ」

俺はにこやかに応対した。その後、大将は昨夜のミチルの話をしてくれた。「その後、この夫婦は両亭で食事をさせろと粘ったんですがね、中居や場の従業員が、他の客の迷惑になるから帰れと追い出しましたよ。他の客からも苦情があって、困りました」

「そうだったんですか。お気遣い、ありがとうございます」

俺は丁寧に礼を言って、電話を切った

それからほどなくして、俺の部屋のドアが、どんどんと叩かれた。答えようとする間もなく、一人の男性が勝手に中に入ってきた。「社長、失礼します」

目の前の男は、昨夜両亭でミチルと一緒にいた、あの男だった。「じじいに、お呼び出しそうで、自期営業部長候補の私目に、なんなりとおっしゃってください」

「異性がいいね。営業部では、それは大きな武器になるだろうね」

「え、ていうか、あんた、太郎?… 坂神さん、口を慎しんでください。ここを、どこだと思っているんですか? ていうかなんで社長室にお前がいるんだよ」

「ここは、私の部屋ですから」

「嘘は寝てから言えよ。ここは、五千九百人もの社員が働く、大企業家電メーカーのエビだろ。考察だって言ってたじゃないか」

「噂に振り回されるのは、良くない傾向ですね」

「私が働きながら通信の大学を卒業したと言ったら、大学院で論文を書いて、工学拍手の称号を持ってるとしたら、信じねえ。俺は、信じねえからな」

「ええ、信じていただく必要はありません。それと引き換えに、私どもがあなたを信頼することは、いたしません」

「え、だって、あんた名前、岩渕孝太って、妻が言ってたぞ”

「それに、じじいがじじいが、何十年も社長を続けてるんだろう”

「エビで何年働いてるんですか? この会社の社長は、代々、エビの正吉を名乗るんですよ。私で、六代目のエビの正吉です」

「マジかよ…

これ、なんかのドッキリとかじゃないだろうな」

「そういうことは、一切ございません」

「そういうあんたは、誰だよ」

「私、エビ人事部長の、河田彩佳です」

「ほら、昇進の人事部長昇格な話だろ」

「坂神さん、あなたは、我が社の状況を把握していますか? 」

「と言いますと? 」

ミチルの異様なまでの浮かれように、俺はため息をつきながら言った。「世界的な経済不教や、新型ウイルスの蔓延で、今期は赤字の見通しであることが、一つ」

「そして、海外から部品などの輸入量が減ったため、工場が一つ、閉鎖されている」

「ええ、それは知ってますよ」

「工場の閉鎖で、百名の正社員と、三百名の委託社員を解雇しました」

「それで生き残れたんだから、いいじゃないですか。天下の家庭メーカー、エビですよ」

「我々は、工場勤務の社員をこれ以上、失うわけにはいきません。そのため、社内の早期退職制度で、退職者を五十名、募りました」

「早期退職すれば、一・五倍、退職金くれるってやつだろ。天下のエビ通をやめるって、もったいない。そんな話に乗るやつ、いるかよ」

「黙って聞きなさい。この制度は、自分のスキルやキャリアを他社で活かせる人が二十名利用しましたが、あと三十名、足りません。そこで、自己転身を推進するための人材を、ピックアップしました。営業部からは、あなたの名が名簿に記載されました。今日は、そのことをお伝えするためにお呼びしたのです」

「時期営業部長候補の名簿って、噂で聞いたぞ」

「さっきも言いましたよ。噂に振り回されるのは、良くない傾向ですよ。… ええ、ぶっちゃけ言ってしまえば、リストラ候補者名簿ってことですよ」

「…

レストラ」

「今回お伝えしたことによって、自己転身して競合他社以外の企業へ転職される場合は、退職金を上乗せしてお支払いいたします。しかし、自己転身を断られるのならば、弊社といたしましては、解雇を伝えざるを得ない状況です」

「なんで俺なんだよ。俺は、有名私立を出て、モデルの嫁がいて、エビで主任職だぞ。なんで、昇進じゃないんだよ」

「失礼ですが、昇進の仕組み、ご存知ですか? 」

ミチルは首を横に振った。「エビでは、二年に一度の昇進試験制度を取っています。試験に合格し、研修を終了した者だけが、課長以上の役職につけます。ただし、最低ラインとして、二十八歳でチームリーダーになり、三十歳までに主任に昇進することが大前提です。そして、三十五歳までに昇進試験を受ける必要があります」

「高主任は、一度も昇進試験を受けておりませんので、昇進のキャリアパスからは外れております。そのため、今回の対象者として、ピックアップしております」

「そ、そんな」

「先月、社内法で工事したはずだけどね」

「大事な話だから、全員のメールボックスに通知を入れていますよ。おそらく、あなたの周りの社員が、名簿記載をよしとして、昇進候補者だと囃し立てたんでしょうね」

「ちょっと、どうしてくれるんだよ。俺、首なのか? 首じゃないよな」

「いや、君は、首確定でしょ」

「… は?

「私は、闇雲に名簿記載者を解雇することはありません」

「どういうことだよ。首確定って、有能な俺様に限って、あるわけないだろう」

「そういうところですね。… あなたの自己評価は『有能な俺様』ですが、営業部での実績も成績も、ゼロに近いところじゃないですか? 」

「だって、ウイルスのせいで、営業先にのき並みホを断られてきたんだよ」

「その中でも、他の社員たちは、大口のパソコンの納入など、契約を取り付けてきましたよ」

認めようとしないミチルに、少々腹が立ったが、まあ、この男が泣き出すのも時間の問題かもしれないとも思った「それに、パワハの情報も入っております。あなたは、新入社員に雑務を押し付けたり、飲酒を共容したりしていたそうじゃないですか? 」

「あれは、パワハじゃなく、教育ですぜ」

「あなたがパワハだと認めなくても、被害を被った方がパワハだと感じれば、それは立派なパワハなんですよ」

「なんだよ、それ」

「それに、咲夜もそうでした。あなたは、見ず知らずの相手をネズミオバーりして、奥様と一緒に指をさして笑った」

「…

ああ、昨日の件かよ」

「それに、格式高い両亭で、お店が断るのにも関わらず、酒を飲ませろと夫婦で大騒ぎしたそうじゃないですか。追い出されてしまったけどな」

「あの店、客単価がいくらくらいの店か、知っていて入転されたんですか? 居酒屋のようにお二人で飲食したら、八万円以上はしますよ」

「え、あの店は、まだ両親的なお店ですがね」

「私が注文したお作りは、私の分だけで、一万円です」

ミチルは、顔が真っ青になっていた。金が出せなかったからだろう。「両亭の大将は、うるさい客だから追い出したのではない。金を払ってもらえそうになかったから、予約があると断ったのだ」

「ただし、昨日のことは、リストラ対象となった直接の原因ではありません。あなたの営業成績や業務態度を見て、古相当が適当であると判断した。それだけです。私はそれにプラスして、あなたのお人柄を見てしまっただけです」

「くそ… くそったが」

「ただし、今なら、諭面職という形にもできます。自己転身をするのならば、我が社の関連会社である職エージェントを紹介しましょう。ただし、エビの関連会社や、エビの同業他社には、入社できません」

そう伝えたところで、ミチルはジャケットに入れていたスマホで、どこかに電話をかけた。非常識なやつだと思ったが、俺はどこかで、この男を観察するのを楽しんでいる自分に気づいた。この男がどこに電話をかけるのか、誰とどんな会話をするのか、ちょっとだけ見てみたいと思ったのだ。人事部長の彩佳がミチルを静止しようとするが、俺はそれを手で制した

「もしもし、ミチルか」

「お前、木ネズミとあっただろう」

「なんだよ、まだ酔っ払ってんのかよ」

「高卒の貧層な太郎だよ」

「あ、そうだ、岩な」

「それがどうしたって言うのよ」

単純にミチルの様子だけを観察しようと思ったのだが、スマホはなぜかスピーカー設定になっていて、ミチルの声が部屋中に漏れている。ミチルはそれに気づかず、スマホを耳に押し当てたまま話を続ける」

「あいつ、会社の社長やってたんだよ」

「俺が勤める、エビ痛の社長だよ」

「あんな陰居に、社長なんて勤まるわけないでしょ。あんた、騙されてんのよ」

「やっぱり、騙されてんのかな? 」

そこまで言って、ミチルはこちらをちらりと見やる。彩佳がものすごい形相で睨みつけているので、空気を読んだようだ」

「お前が、中太郎だの貧層だの、似つかわしくない店に嫌がるだの言うから、俺、今リストラされかかってんだよ」

「はあ?

嘘でしょ? あいつ、女にも持てないし、なんせ考察よ。なんでそんなやつに、リストラ宣告受けてんのよ」

「受ける。お前、下座さして謝れ」

「社長に、中太郎とか貧層とか、うだつの上がらないボケ社長とか、営業のことが全然分かってない経営センス務の社長とか、散々言ってきたこと、謝まれよ」

「… あなたでしたか? 取引先の社員に、『エビには経営センス海務の社長が困ってる』と言いふらして回っていたのは」

俺は、少し大きな声で伝えた。スピーカー本だから、当然、ミチルの耳にも届いたはずだ」

「取引先や、他の会社から苦情が寄せられていたんですよ。エビの社員が、社長のことを悪く言っているとね。れで契約がいくつも更新されずに終了した。損害は、数億単位だ」

ミチルは、最大のボケを踏み抜き、スマホを落としてしまった」。

「すまないが、自己転身の話は、なしだ。本日付けで解雇にさせてもらう」

俺は、ミチルにも聞こえるように、そのまま話を続けた「みちさんも、それでいいですね」

「ちょっと、給料が入ってこないじゃないのよ。どうすんのよ。先月からクレかの支払いできてないのよ」

この夫婦は、クレジットカードの支払いもできないまま、昨夜、あの店で飲食をしようとしていたのか。俺はこの夫婦の無形格差に頭を抱えたが、ここから先は、俺が何かを言えるわけではない。輸面食で自ら食届けを出してもらえたら、食筋もわずかながら出せた。リストラで首宣告をしてしまえば、退職金すらも出せない。ミチルは、さらに窮地に追い込まれるだろう」

「お前とは、離婚だ」

「はあ?

「財産分与で、お前の金とマンションを半分もらうからな」

「マンションは半分にできないじゃないの」

「それに、夫がエビ社員ってだけでモデルやらせてもらってて、もう仕事が来なくなるじゃないのさ」

「離婚に応じるわよ。でも、マンションは私のパパの名義だから、出てってよね」

「話を続けるなら、この部屋を出てからにしてくれ。解雇に関する書類は、追って送付する」

それから、少しの時間が経過した。

ミチルとミチルは離婚したようだが、財産分与がどうとか、借金がどうとか、揉めているようだ。ミチルは食探しを始めたようだが、エビの本社営業部にいた男が、会社都合で退職したとあれば、どの会社も引き受けたがらないらしい。次の仕事が決まらず、いよいよ立場が危うくなってきた。それは、俺の知ったことではない。

ある日、ミチルが会社に電話を入れてきた。

「謝るから、ミチルを会社に戻してほしいのね”

俺は、受話器を手に取り、静かに言った「都合のいい記憶のすり替えは、やめませんか? 」

そう言って、俺は電話を切り、以後、取り継ぎがないよう、電話交換に伝えた。高校時代、ミチルのせいで、俺は三年間、ネズミのまま過ごさなければならなかったのだ。

今だから言うが、俺は貧困の暮らしではなかった。親父は、五代目の海や木郎正義だ。俺が通った高校では、親父は本名で寄付を行っていたから、俺がエビ痛の温存士だってことは、誰にも知られていなかっただけだ。

俺はスマホを取り出し、電話をかけた。

「あ、大将、すみませんが、今夜、つもの席、開いてますか? あ、大丈夫ですか?

じゃあ、十九時頃に伺いますね」

電話を切って、俺は窓の外を見た。夕暮れの街に、明かりが灯り始めている。今夜も、あの店のカウンターで、日本酒をちびちびやることにしよう。あの夫婦のことは、もう忘れることに決めた。俺は、俺の人生を、俺のペースで歩いていく。それだけのことだ。