2026年FIFAワールドカップ決勝トーナメント1回戦、7月5日にニュージャージー・スタジアムで行われたブラジル対ノルウェーは、大会屈指の衝撃的な一戦となった。5度の優勝を誇るブラジルが、ノルウェーに1-2で敗れ、早期敗退を喫したのである。

試合の流れを大きく左右したのは、開始10分のPKだった。ブラジルは先制の絶好機を得たが、キッカーを務めたブルーノ・ギマランイスのシュートはGKニーランドに阻まれた。ブラジルにとってワールドカップでのPK失敗は1986年以来とされ、この瞬間から試合には不穏な空気が漂い始めた。
その後、ブラジルはボールを保持しながらも決定力を欠き、ノルウェーの堅い守備を崩し切れなかった。一方のノルウェーは焦らず耐え、少ないチャンスを確実に狙い続けた。
試合終盤、ついに主役が動く。79分、シェルデルップのアシストからハーランドが先制点を決め、ノルウェーが均衡を破った。さらに90分、再びシェルデルップのパスを受けたハーランドが追加点。世界最高峰のストライカーが、最も重要な場面で圧倒的な決定力を見せつけた。
ブラジルも最後まで意地を見せた。ロスタイム、ネイマールがPKを決めて1点差に迫る。しかし反撃はそこまでだった。試合終了の笛が鳴ると、34歳のネイマールはピッチ上で涙を流し、その姿は世界中のファンに強い衝撃を与えた。

試合後、ネット上では「なぜヴィニシウスではなくブルーノ・ギマランイスが最初のPKを蹴ったのか」という疑問が噴出した。また、大会前に塩貝健人が「今のブラジルはかつてほど絶対的ではない」と語っていたことを引き合いに出し、その見立ては正しかったとする声も広がった。
この敗戦は、単なる番狂わせではない。ブラジルは2002年以来、ワールドカップ決勝トーナメントで欧州勢に勝てていないという深刻な流れを断ち切れなかった。かつて世界を魅了した王国は、才能だけでは勝ち切れない現代サッカーの現実を突きつけられた。
ノルウェーにとっては歴史的勝利。ブラジルにとっては、王国再建を迫られる痛恨の敗北となった。


