パーティー会場に現れた組長は、私に向かって口を開いた。
「よく耐えたな、レイナ。」
「いえ、組長。お忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。」
私はそう言いながら、ゆっくりと深呼吸をした。そして、今までずっと我慢してきたものが、ようやく弾ける瞬間を待っていた。
「何よ、あんたたち…」
みささんが顔を真っ青にして、震える声で尋ねる。彼女の隣で、組長の恰好をした父親も、同じように動揺していた。私は静かに微笑んだ。ここからが、本当の始まりだ。
私の名前は太田レイナ。夫と5歳の息子と暮らす普通の主婦だ。息子にはのびのびと育ってほしいと思い、ママ友たちとの付き合いを大切にしてきた。けれど、その中に魚谷みさという、どうしても我慢して接しなければならない人物がいた。彼女は父親がヤクザの組長だということを笠に着て、周囲を脅し、まるで女王様のように振る舞っていた。公園で子どもたちを遊ばせているときも、平気で私を侮辱する言葉を投げかけてきた。
「また貧乏くさい服で来たの?レイナさんは、他のママ友にどう思われてるか考えたことないのかしら?」
「貧乏だから、発想力も貧しいのね。」
そのたびに、他のママ友たちが「気にすることないよ」となだめてくれた。本当なら言い返したい気持ちは山々だったが、息子のためを思うと、穏便に暮らすのが一番だと自分に言い聞かせて耐えてきた。
そんなある日、みささんが私に声をかけてきた。
「レイナさん、ちょうどいいところにいたわ。今度、ママ友たちの懇親会として100人集めてパーティーをしようと思ってるの。でも、会場が空いてるかどうかの確認なんて、簡単で地味な仕事は私には的はずれなのよ。そういうちまちました仕事は、貧乏人のレイナさんにやってもらうのがぴったりだと思って。どう?お願いできるわよね?」
私に拒否権はなかった。
「100人規模の会場探しと予約ですね。わかりました。」
「よろしくね。こんな誰でもできる仕事、失敗するんじゃないわよ。」
悔しかったが、息子や他のママ友たちに危害が及ぶくらいなら、自分が我慢すればいいだけのことだと思った。私は早速、近くの会場へ片っ端から電話をかけた。しかし、懇親会まで日が短く、人数が多いという理由で、ことごとく断られてしまった。このまま会場が見つからず、みささんにひどい目に遭わされるのではないかと不安になった。
それでもなんとか予約にこぎつけたが、会場の担当者から「キャンセルになった場合は、1人5万円のキャンセル料を請求する」という厳しい条件をつけられてしまった。背に腹は変えられず、私は条件を受け入れて予約を手配した。すると、背後で電話を盗み聞きしていたみささんが、クスクス笑いながら現れた。
「こんなお金、あんたに払えると思ってるの?失敗したら、ただじゃ置かないからね。楽しみにしてるわ、レイナさんの大失敗を。」
彼女は軽蔑した目で私を見ながら、意味ありげに笑った。私は予約の電話の内容を全部聞かれていたのだと思い、嫌な予感がした。しかし、懇親会まで数日しかなく、他の会場では断られることは明白だったので、このまま予約を進めることにした。だが、その考えは甘すぎた。これまでのみささんからの嫌がらせとは比べ物にならないことを、私はこの時まだ想像もしていなかった。
そして懇親会当日。約束の時間になっても、ママ友たちは誰一人として姿を見せなかった。私は確認のメールが届いているかどうかをチェックした。すると、息子と一番仲のいいママ友から、みささんが「会場が変更になった」というメールを送ったという連絡が入った。私は会場の担当者に、ママ友たちへ確認するため、もう少し待ってほしいと伝えた。私は、みささんからの会場変更の連絡から、意図的に外されていたのだ。私の中で何かが弾けたのを感じた。
すると、嫌味な笑い声とともに、みささんが宴会場の中から現れた。
「本当に使えないわね、レイナさんって。キャンセル料、ちゃんと払ってね。1人5万円だから、100人分で500万円かしら。そんな貧乏人に払えるの?」
私は無言で彼女を睨みつけた。すると、みささんは会場に用意されていた料理を手に取り、私に投げつけた。
「ああ、床が汚れちゃった。宴会の予約はできなくても、掃除くらいはできるでしょ。」
そして、みささんは携帯電話を取り出した。
「払えないなら、魚谷の組長である私の父を呼ぼうか。」
なんと、みささんは父親である組長に電話をかけたのだ。30分後に、会場に魚谷組の組長が来ることになったようだ。
「魚谷組の組長まで呼ぶ必要があるんですか?」
「はあ?当たり前じゃない。レイナさんは会場の予約を失敗したし、今まで散々私が嫌味を言っても知らん顔してるのがムカつくから、父を呼んだのよ。」
私への罵倒は、魚谷組の組長が到着するまで続いた。我慢の限界を感じ始めた頃、組長の魚谷カジさんが到着した。
「みさ、急にこんなところに呼び出すとは、父が忙しいのも分からないのか。」
「お父さん、急に呼び出してごめんなさい。でも、前から気に食わないママ友がいるって話してたじゃない。その気に食わないママ友のレイナさんが、懇親会の場所を間違えてママ友たちに連絡したのよ。ママ友のみんなに楽しんでほしくてレイナさんに協力したのに、レイナさんは私を裏切ったのよ。」
「何そんなことをしたのか。うちの娘を傷つけて何が楽しいんだ?みさ、そんなことをするなんて許せないな。」
彼女はでたらめを言い、私を悪者に仕立て上げた。そこで私はゆっくりと深呼吸し、静かに笑った。
「なら、私も呼ばせてもらうわ。」
その瞬間、宴会場の奥の個室から、部屋中に緊張が走るほどの男たちが現れた。魚谷とは比べ物にならない、最高級の着物に身を包んだ男たちが突然現れたため、みささんとカジさんは驚き、目を丸くしていた。その中で最も威圧感を放つ男が、私の元へ歩み寄る。
「ご苦労だったな、レイナ。」
「いえ、組長。わざわざお越しいただき、ありがとうございます。」
「何よ、あんたたち…。」
みささんが顔面蒼白になりながら、震える声で問いかける。男はゆっくりと口を開いた。
「俺は、全国のヤクザを束ねる組長の和田剣吾だ。そして、ここにいる男たちは、全国の組織を束ねる100人のヤクザだ。それにしても、レイナを貧乏人呼ばわりなんて、失礼じゃないかね。」
「全国のヤクザを束ねる組織なんて聞いたことないわよ。うちのお父さんは魚谷組の組長なのよ。偉いのよ!」
「勉強不足だな。こんな人がこれからの魚谷組を引っ張っていくのかと思うと、先が思いやられる。」
そして和田組長は私を差し示しながら告げた。
「勘違いしているようだが、レイナはただの主婦じゃない。和田組のレディース若頭だ。」
「そ、そんなわけないじゃない!嘘よ!」
「和田組は、全国のヤクザの乱れた風紀を正すために存在している。魚谷が一般の人々からお金を横領していると察知した私たち和田組は、魚谷を数年前から調査し始めたのよ。調査のためだけじゃない。息子や他のママ友たちを守るためにも、私はみささんからの嫌がらせにこれまで耐えてきたのよ。」
それを聞いたみささんとカジさんは、ガタガタと震え、崩れ落ちるようにへたり込んだ。
「みささんがやってきたこと、全部聞いてるわ。ママ友たちを脅し、お金を巻き上げてきたのよね。そろそろ報いを受ける番よ。」
「何のこと?そんな証拠もないのに、勝手に言わないでくれる?」
私は携帯電話を取り出した。運営費を払っていたのに「領収書は出せない」と言われ、多く払わされてしまったというママ友たちからの密告の音声を流した。
「ママ友たちからの証言と、録音した音声が何よりの証拠よ。ママ友たちを騙してお金を巻き上げていたわよね。」
「だから、そんなことしてないってば!」
「まだ白を切るつもりですか?幼稚園の運動会の時に、運営費として保護者から高額なお金を徴収していましたよね。そして、その一部をバッグを買ったり、高級エステに使ったりしていましたよね。」
「どこからの情報なのよ!」
これだけの情報が集まっていて、全国のヤクザのトップが集まっている場でも、みささんは噛みつくような勢いで私を糾弾した。私は淡々と続ける。
「ママ友から高額な運営費を払わされたと聞きました。運営費の件は、ママ友から幼稚園へ『あまりにも運営費が高すぎる』と抗議があったところ、幼稚園側から『運営費は全て幼稚園が出している』と回答されたことで、事件の内容が発覚しています。現在、警察へ被害を届けるかどうか、幼稚園内で検討されているようですよ。それだけではありません。ママ友の中でも経済的に余裕のある人々に取り入って、お金を要求していますよね。お子様の受験のための塾に、高額な金額で入学させていたと報告を受けています。そして、得たお金の一部を魚谷の資金や、みささんの家のリフォーム費用、高級レストランでの食事に使っていたことも調査済みです。」
私は冷ややかな目で、みささんとカジさんを見下ろした。
「分かったわよ。そこまで言うなら返します。今まで奪ったお金は全て返しますから!」
「みさは、親の七光で生きてきただけなんだな。実に笑い者だ。」
みささんは和田組長の言葉が的を射ていたためか、言い返せないようだった。
「こんな親子に今後の魚谷組は任せられん。レイナ、お前は今までこの親子の不正を見てきた。レイナ自身で、2人の処遇を決めていいぞ。」
「かしこまりました。」
私は二人を見据え、口を開いた。
「みささん、あなたがしてきたことは、当然許されることではないわ。もちろん、組長のカジさんも対応を誤った。同罪よ。」
「今までのレイナさんにしてきたことについては、誠に申し訳ありませんでした。」
カジさんは頭を床に擦りつけ、土下座を繰り返した。
「お前も謝らないか。」
すると、みささんは父親に頭を掴まれ、私へ土下座させられた。
「お父さん、痛い!レイナさんにちょっと意地悪を言ったぐらいで、土下座なんてするものですか?」
みささんとカジさんは、なぜここに全国のヤクザのトップたちが集まっているのか理解していなかった。彼らは、私が怒っているのは、みささんが今してきた私への嫌がらせに対してだけだと思っているのだ。私は、この親子が今まで魚谷を運営してきたのかと思うと、怒りを通り越して呆れてしまった。
「みささん、カジさん、あなたたちは何も分かっていないんですね。」
「なんだ、まだ謝り足りないというのか。示談金が必要なのか?」
周囲のヤクザたちも、冷ややかに2人を見つめている。私はわざとらしく、大げさにため息をつき、和田組長に目配せをした。すると、和田組長はうなずいた。
「私たちは、魚谷が一般人の人から不正に巻き上げたお金で組を運営していたことに対して、制裁を行うと言っているんです。」
みささんたちが黙り込んでしまったため、私はある場所へ電話をかけた。
「会長ですか?お忙しいところすみません。これから海外へ渡航する予定のものを2名確保しましたので、迎えの車を用意してください。はい、お願いします。」
「海外って、海外マフィアのところってこと?映画みたいじゃない?ねえ、レイナさん、嘘よね。私たち、これから海外マフィアのところに行かなければならないの?」
みささんがあまりにも極道の世界に対して無知だったため、周りにいたヤクザたちは笑いをこらえきれず、吹き出してしまっていた。私は電話を切り、ゆっくりと2人を見据えた。
「魚谷は今日で消えます。2人には2つの道を与えます。1つは、ママ友たちや保護者から不正に巻き上げたお金を私のために使い、また魚谷の資金にしていた全ての証拠を警察に提出し、詐欺で逮捕されること。もう1つは、もう2度と日本に戻って来られないように、海外マフィアのボスに身柄を預けることです。」
「そんなの、どっちも嫌よ!」
よく言ったものの、ヤクザたちの冷たい視線を感じたみささんは、すぐに黙ってしまった。
「今まであなたたちがしてきたことに比べたら、どっちも軽いと思いますよ。」
みささんとカジさんは、恐怖で顔を見合わせた。
「刑務所の中で耐えればいいと思ってますか?」
私は意地の悪い笑みを浮かべた。
「そうよ。刑務所の方がマシだわ!日本に帰って来られなくなるより、全然いい!」
「刑務所には、和田組の組員が300人以上もいますよ。それでもいいんですか?」
「どういうことよ…」
「刑務所の看守は、和田組のものよ。そして、組の中でも厳しい扱いがなされているわ。そして、みささんたちの悪事は、これから行くであろう刑務所に情報を共有させてもらってる。」
「そこまでしなくたって、いいじゃない!」
みささんたちは顔を見合わせ、今にも泣き出しそうだ。
「刑務所に入ったら、昼も夜も休む暇はない。トイレだって、逃げ込める場所はない。海外に行くよりも地獄の日々を送ることになるかもしれないわね。」
「やめてよ!」
「これから、今まで不正にお金を要求してきたママ友たちが面会に来て、看守たちに土下座を強要されるかもしれないわね。刑務所では、みささんたちは人間以下の生活を送ることになるでしょうね。」
もう何も言えなくなったのか、みささんとカジさんは青ざめた顔で私を見つめていた。
「さあ、どうします?警察に電話しますか?」
私は続けた。
「夏は炎天下の中、冬は冷たい風の中で、中庭の掃除をさせられ、ゴミはいつまでも消えないかもしれないですね。周りの囚人から、せっかく集めたゴミを頭から被せられる。そんな生活に耐えられそうですか?」
選択を迫られたみささんは、緊張しているのか、肩で息をして今にも倒れてしまいそうだ。
「でも、不正にお金を要求されてきたママ友や、嫌味を言われ続けた私に比べたら、刑務所に入るのは軽いと思うわ。」
「す、すみません!何でも言うことを聞きますから、警察に突き出すのはやめてもらえませんか?」
「無理です。警察に行くか、海外に行くかの2択です。」
私はさらに追い打ちをかけた。
「そうですか。刑務所の食事の時間も地獄になるでしょうね。毎食必ず、和田組のものがみささんたちの隣に座って監視するでしょう。そして、食事に何が入っているか分からないから、怯えながら食事することになるわね。あと、お風呂の時間もきっと、みささんたちが最後になるでしょう。その時は、水のように冷たいお風呂で過ごすと思うわ。」
「そんなの耐えられるわけないでしょ!」
「みささんは、不正にお金を巻き上げたんですよ。当たり前に刑務所へ入るに決まってるじゃないですか。最後に、寝る時も和田組のものが監視しているから、きっと寝る間もないでしょうね。」
みささんたちは愕然とし、絶望した表情を浮かべた。どうやら海外よりは刑務所の方が楽だと考えているようだ。
「それでは、警察へ連絡しますね。」
そう言って私が携帯を取り出し、警察に連絡しようとしたところ、カジさんが割り込んできた。
「海外だ!海外へ俺たちを飛ばしてください!」
「でもお父さん、海外って言ったって、どんなところか分からないじゃない!」
「そんなの知るか!刑務所の中じゃ、確実に地獄だ!さっきレイナさんから聞いたのだって、嫌がらせなんてレベルじゃねえぞ!」
「じゃあ、海外でいいんですね。」
「はい、お願いします!日本の刑務所だけは勘弁してください!」
「そうか、そうか。ようやく海外へ行く気になったか。」
和田組長はにやりと笑って私に言った。その時、宴会場の外に海外マフィアの車が入ってくる音がした。
「ボスはとても大らかな人よ。みささんたちのようにクズな人間も、心よく受け入れてくれるわ。」
「あ、よかった。助かったのね。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。海外マフィアのとこで、俺らはどうなるんですか?」
魚谷の組長の方が、まだまともな質問ができるようだ。和田組長が笑いを漏らすと、それに釣られて周りのヤクザたちも爆笑した。
「そういえば、ボスのとこでの暮らしを話さないとですね。海外マフィアには、法律なんてないようなものです。もちろん、みささんたちの人権も当然ありません。まず最初の洗礼は、ボスが所有するビルの地下で、24時間労働させられます。」
「24時間!刑務所よりもきついじゃない!」
「ビルの地下ですから、当然窓もありません。それに24時間休みなく働かされるため、逃げようものなら監視員に捕まえられるでしょうね。逃げようったって、出口は1つしかないので逃げることもできませんが。」
みささんとカジさんは、私の話を聞いて号泣した。
「ボスは、特に傲慢な人間が嫌いだとか。みささんみたいに、親の肩書きを振りかざしたような人は、特別扱いされそうですよ。楽しみですね。それに、言葉も通じない国で一生奴隷として働き、もちろん日本には2度と戻れない。パスポートも取り上げられ、みささんたちの情報は世界中のマフィアに共有されます。おそらくボスは面倒見のいい人だと聞いているので、みささんたちが働けなくなるまで面倒は見てくれると思いますよ。」
「最後までって、どういうことよ!」
「3年もビルの地下に収容されて24時間働き続ければ、人間なんてボロボロになりますよ。手足は動かなくなり、そして心も壊れる。ただの人形より質が悪い廃人になるでしょうね。ボスは無駄を嫌う人でもあるそうです。動けなくなったみささんたちの体の全てをバラバラにし、余すことなく臓器を売りさばかれることになるでしょうね。」
「そんなの、ひどすぎるわ!」
「ひどすぎるですって?ママ友から巻き上げたお金を不正に使って、魚谷の資金にしていたんですよ。極道の世界を知っているのに、極道に背いたらどうなるか、想像できませんでしたか?」
決断を迫られたみささんたちは、ついに絶叫した。
「やっぱり刑務所でお願いします!刑務所に入れてください!刑務所、刑務所がいいです!お願いしますから、真面目に生きます!もう悪いことはしません!」
みささんの態度は、さっきまでとは一変していた。
「20年でも30年でも、服役します!今までご迷惑をかけた方々に毎日土下座しますから、他の受刑者の相手でも何でもします!」
みささんたちは床に体を擦りつけ、涙と鼻水を垂らしながら懇願した。
「もう手遅れよ。さっきの車が到着した音が聞こえたでしょう。今までの報いを受けなさい。」
みささんたちは泣き叫びながら、海外マフィアの車に押し込まれ、そのまま姿を消した。
数日後、私の元に「アジアの某国で日本人の臓器が高値で売買されている」という噂が届いた。
「今後、魚谷と同じようなことをするものがいれば、同じ運命を辿ると伝えろ。」
和田組長は私にきつく命じた。
「承知いたしました。」
「レイナがみささんからの嫌がらせに耐えてくれたおかげで、極道の世界が荒れることなくて、本当に助かったよ。ありがとう。」
「とんでもございません。ヤクザの肩書きを振りかざして一般人を巻き込むという卑劣な行為を見逃すわけにはいきません。」
「その調子で、今後も頼むぞ。」
「はい、和田組長。」
1週間後、みささんたちが渡航した時のお金で、宴会場のキャンセル料の500万円を無事に支払うことができた。そして私は1ヶ月後、他のママ友たちと改めて懇親会を開き、みささんのいない平和な時間を満喫した。
「これでようやく、穏やかに暮らせるわね。」
私は静かに微笑みながら、息子の手を握った。


