「失敗したら首だからな」──課長はそう言って笑った。俺は東大卒のエリートとして、10億の利益が見込めるVIP商談を任された。喜んで引き受けたけど、当日になって突然言われたんだ。「相手は外国人だから、英語で頼むぞ」。事前にそんな話は聞いてない。日本語の資料しか用意してないのに。もう引けない。商談の場に足を踏み入れると、取引先の女性が俺を見て「会いたかった!」と抱きついてきた。その顔を見て、俺は…

「失敗したら首だからな」──課長はそう言って笑った。俺は東大卒のエリートとして、10億の利益が見込めるVIP商談を任された。喜んで引き受けたけど、当日になって突然言われたんだ。「相手は外国人だから、英語で頼むぞ」。事前にそんな話は聞いてない。日本語の資料しか用意してないのに。もう引けない。商談の場に足を踏み入れると、取引先の女性が俺を見て「会いたかった!」と抱きついてきた。その顔を見て、俺は...

「VIPとの商談を任せてやる。」

課長が突然、俺にそう言った。俺は思わずのけぞった。

「え、いいんですか?」

「ああ。成功したら10億の利益だ。最年勝で昇格も期待できるレベルだよ。やってみるか?」

予想外の話に驚いたが、やりがいも大きい。

「はい、是非やらせてください。」

「わかった。任せる。ただし、失敗したら首だからな。」

「首ですか?」

「そうだ。東大卒の俺がチャンスを与えてやるんだ。感謝しろよ。まあ、お前にできるかどうか知らないけどな。」

そう言って、課長は薄笑いを浮かべた。俺は拳を握りしめ、

「やります。全力で成功させます。」

と答えた。

──そして、商談当日。

正談の直前、課長がにやりと笑いながら言った。

「そうそう。この商談相手は外国人だから、英語で頼むぞ。よろしくな。」

「え、英語ですか? 俺は日本人との団だと聞いていましたが。」

「だから、日本語の資料しか用意していないんだよ。」

「あほか。海外の会社だから英語に決まってるだろう。お前が通訳すればいい話だ。」

課長は続けた。

「できなかったら首だからな。」

「ちょ、ちょっと待ってください。事前にそう聞いていれば、別の準備を──」

課長は手を振って俺の話を遮った。

「言い訳するな。いいか、失敗したら首だ。」

これは罠だ、とすぐに理解した。しかし、もう引けない。

「分かりました。なんとかします。」

そう言って、商談の場に赴いた。

すると、待っていた取引先の海外美女が俺を見た途端、

「会いたかった!」

と抱きついてきた。

俺の名前はニ田正幸。28歳。日本屈指の総合商社、桜トレーディングに入社し、国際営業部に配属された。世界中を飛び回る毎日だ。肉体的にも精神的にもきつい仕事だが、やりがいは大きい。

何より、俺には自分が納得できる仕事をするというこだわりがある。どんなに小さな仕事でも、妥協せずにベストを尽くしたい。たとえば、商談の資料一つとっても、相手国の文化や習慣を重んじなければ成功しない。細かいところまで見逃さないように、何度も確認する主義だ。

上司や同僚からは「気難しい」と言われることもあるが、これは俺の将軍であり、プロとしての責任だと思っている。

「お前ほど書類を確認する奴はいないよ」

と笑われることもあるが、それは俺なりの誇りだ。何もかも完璧とはいかないが、この徹底した姿勢が、これまでの成功を支えてきた。

──しかし、この商談が、俺の人生を大きく変えることになるとは、この時はまだ知らなかった。

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