新社長が私を「老害じじい」と罵り、30年の経験を嘲笑いながら、会議室の前でこんな言葉を浴びせたんです。「お前みたいな無能は、黙って辞めればいいんだよ。」長年、お前のために働いてきたその日の帰り道、退職願を出しました。ところが、たった3日後、新社長が慌てふためいて電話をかけてきて、こう言ったんです。「早く会社に戻ってこい!」そして、私が手放したその裏で、あいつが失ったものの正体を知ったんです。…

新社長が私を「老害じじい」と罵り、30年の経験を嘲笑いながら、会議室の前でこんな言葉を浴びせたんです。「お前みたいな無能は、黙って辞めればいいんだよ。」長年、お前のために働いてきたその日の帰り道、退職願を出しました。ところが、たった3日後、新社長が慌てふためいて電話をかけてきて、こう言ったんです。「早く会社に戻ってこい!」そして、私が手放したその裏で、あいつが失ったものの正体を知ったんです。...

突然やってきた新社長は、まるで嵐のように毎日をかき乱した。朝一番の朝礼で、あいつは平気な顔で言い放った。

「お前ら社員に発言権はない。全て俺が決めるんだ。お前らは従っていればいいんだよ。」

俺は30年以上、この旅行代理店で働いてきたベテランだ。浅井社長のもとで、俺たちは力を合わせて小さな会社を支えてきた。自信はあった。経験があるからこそ、意見も言えると思っていた。

だが、新しい社長は全く聞く耳を持たなかった。むちゃくちゃな指示を押し通し、現場を混乱させた。俺は我慢ならず、抗議した。

「その指示では、現場が回りません。もう少し社員のことも考えていただけないでしょうか。」

新社長は鼻で笑った。

「年取っただけのベテランが、偉そうに何を言ってるんだ。うるさい。お前みたいな無能は黙って仕事をしてればいいんだよ。お前が足を引っ張ってるんだ。」

俺は自分が無能だとは思っていなかった。同僚に迷惑をかけているつもりもなかった。しかし、新社長はさらに続けた。

「これだから老害じじいは。さっさと退職してくれないか。お前がいなくなれば、無駄に払ってた給料も減る。そしてその分、有能な社員を雇えるんだ。」

その言葉に、俺の中で何かが折れた。何を言っても無駄だと感じた。翌週、俺は退職届を出した。新社長はニヤリと笑って、書類を握りつぶした。

だが数日後、意外な電話が鳴った。新社長からだった。声は慌てていた。

「お、おい。早く会社に戻ってこい。すぐにだ!」

俺は呆れて笑ってしまった。自ら招いた混乱の重みに、鬼の首を取ったような新社長が潰れかかっていた。電話の向こうで、取引先からのクレームの嵐が聞こえる。俺が作ってきた人脈を、そして俺という30年の信頼を、あいつは捨てたのだ。

新社長は言った。「頼む。何とかしてくれ。お前しかいないんだ。」

俺は冷ややかに返した。「自分で巻いた種は、自分で何とかしてください。私はもうあなたの会社の人ではありませんから。」

しかし、それで終わらせるのは惜しかった。あいつに、いつだったかの本当の重みを思い知らせたくなった。俺は新社長をさらに絶望の底へ突き落とすことにした。

「ところで、あなたが私を追い出したその裏で、何が起きてると思います?」

電話の向こうが沈黙した。俺は続けた。

「私が30年間育ててきたのは、この会社ではありません。私自身の信用と、そしてあなたが失った大事なもの…。」

新社長の息を飲む音が聞こえた。俺は静かに、電話を切った。

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