入院先で出会った美人看護師さんに体を拭いてもらうことになった。年上の彼女にドキドキしながらも、ある日「こんなに大きいなんて素敵」と聞こえるか聞こえないかの声で呟かれて、調子に乗って「試してみますか?」って言ってしまった。「いいの?」って目を輝かせた彼女に押し切られるように、その日から何度も体の関係を持った。俺は本気で彼女に惹かれていたのに、退院前日にナースステーションで聞いてしまった。「好き…

入院先で出会った美人看護師さんに体を拭いてもらうことになった。年上の彼女にドキドキしながらも、ある日「こんなに大きいなんて素敵」と聞こえるか聞こえないかの声で呟かれて、調子に乗って「試してみますか?」って言ってしまった。「いいの?」って目を輝かせた彼女に押し切られるように、その日から何度も体の関係を持った。俺は本気で彼女に惹かれていたのに、退院前日にナースステーションで聞いてしまった。「好き...

高校を卒業して入った会社で、俺はがむしゃらに働いていた。将来独立するために、とにかく経験を積みたかった。職場の雰囲気も良くて、よく面倒を見てくれる特さんという先輩にも恵まれて、毎日が充実していた。

「おい、ハルト、休憩にするぞ。自販機で何か買ってこい。俺はコーヒーな」

特さんはいつも俺に飲み物を奢ってくれる。現場仕事は体力勝負で、休憩のたびにそんな他愛のない話をしていた。

「ハルト、お前、彼女は?」
「ああ、しばらくないっすね」
「しばらくって、どれくらいだ?」
「高卒でここに来てからなんで、4年になりますね」
「4年?お前、マジか?20代なんてあっという間なんだから、今のうちに遊んでおかないと」
「いや、まあ、将来独立したいと思ってたんで、ずっと仕事一本でやってきたんすよ」
「まあ、確かにな。でもよ、彼女がいると、もっと楽しいとこに連れてってやりてえとか思って、自然と仕事も頑張れるもんだぞ。恋人作ってみろよ。きっと人生変わるぞ」

その言葉に、恋愛も悪くないかもな、と思い始めた矢先のことだった。

トラックから荷物が落ちてきて、俺はそれを避けようとして足を捻り、倒れてきた部材が足に当たった。かすり傷程度だったが、特さんが大げさに騒いで救急車を呼んだ。そのまま病院に運ばれ、捻挫の診断で2週間の入院が決まった。

「おい、ハルト、大丈夫か?」

仕事終わりに特さんが慌てて駆けつけてくれた。足を見せると、特さんは呆れたように笑った。

「なんだ、こんなのかすり傷だろ。だから救急車呼ばなくていいって言ったんすよ。特さんが心配性だから」
「そういうのは先に言えよ。心配して損したわ」
「すみません。ありがとうございます」

特さんが帰った後、病室に綺麗な女性が入ってきた。俺の担当になった長井さんという看護師だった。36歳とは思えないほど若く見えて、大人の色気があった。

「若いのに大変だね」
「いや、全然っす。俺、将来独立目指してるんで、これもいい経験だと思ってます」
「お、偉いじゃん」

つい年齢を聞いてしまって、彼女は「36歳だよ。もうおばさんでしょ」と笑った。「全然見えないっす」と言うと、嬉しそうに笑ってくれた。

「長井さんは彼氏とかなんすか?」
「うん、いないよ」
「え、長井さんモテそうなのに」
「よく言われる。でも持てないんだなあ」

その時は、長井さんは俺を子ども扱いしてるんだな、と思った。でも、その日の夜、事態は思わぬ方向に動いた。

「はい、こんばんは、ハルト君。今日はもうシャワー室使えないから、体を拭くね」

長井さんが体を拭きに来たのだ。上半身を拭かれるだけでもドキドキしたのに、「次は下ね」と言われて、俺は慌てた。

「ちょ、ちょっと待ってください!」
「恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。大事なところは自分で拭いてもらうから」

そう言って長井さんがズボンを下げた時、俺の体は正直だった。パンツ越しでもわかるくらい、俺の息子は大きくなっていた。

「あっ…」

長井さんが息を飲んだ。

「すみません!俺、女性に体拭いてもらうとか初めてなもんで、こういう状況だと反応しちゃうんすよ。だから止めたんす。こんなん見るの、長井さん嫌でしょ?」
「え?あ、そうよね。ごめんなさい。私が軽率だったわ。ここにタオル置いておくから、これで拭いてね。拭き終わったらナースコールして」

そう言って長井さんは慌てて部屋を出て行った。その時、長井さんの顔がほんのり赤かったような気がした。

だが、それ以降も長井さんは毎日体を拭きに来るようになった。しかも、下の方も「全然いいよ。気にしないから」と言って、遠慮なく拭いてくれる。どこか嬉しそうに、ワクワクしているような表情に、俺は「もしかして長井さんは俺の体が見たいんじゃないか?」と疑い始めていた。

そんなある夜、長井さんがいつものように体を拭いている時、ぼそっと呟いた。

「こんなに大きいなんて、素敵…」

聞こえるか聞こえないかの声だったが、しっかりと俺の耳に届いた。

「じゃあ、試してみますか?」

いたずら心で言ってみた言葉に、長井さんは驚くべき返事を返した。

「いいの?」
「え?」
「それじゃあ、試させて欲しいな」

ノリノリでそう言う長井さんに、俺はめちゃくちゃ驚いた。冗談のつもりだったのに。

「いやいや、ごめんなさい。冗談です!」
「そうやってごまかさなくていいのよ。本当は試してもらいたいんでしょ?それなら、お望み通り試させてもらうわ」

俺が止めようとするのを全く聞かず、長井さんは俺の息子に触れてしまった。

「やっぱりすごいね、ハルト君のって。まだ成長途中でしょ?」
「そ、そうですけど…」
「うん。すごく大きい。私、絶倫なんだよね。だからハルト君みたいな人に出会えて嬉しいのよ」

その言葉を聞いた瞬間、俺のリミッターは完全に外れてしまった。

「もうここまでになったら止められませんよ。挑発したのは長井さんですからね」
「うん、いいよ。もちろん責任は取るから」

捻挫した足を気遣いながら、長井さんと最後まで関係を持ってしまった。長井さんは敏感ですごくいい反応をしてくれて、最後は意識が飛んでしまうほどだった。

「すごく良かったよ」

そう言ってくれた長井さんに、俺は安心した。だが、彼女が病室を出て行った後、我に返って冷や汗が出た。

「やばい。俺、長井さんのこと何も知らないのに…」

次の日、俺はすぐに謝罪した。

「長井さん、昨日は勢いで最後までやっちゃって、本当にすみませんでした!」
「うん。誘ったのは私だよ。だから、そんなに謝らないで」
「でも、長井さん、彼氏さんとかいるんじゃないですか?」
「え、いないよ」
「本当ですか?モテそうだから、当然付き合ってる人もいるんだろうなって思ってました」
「彼氏がいたら、あんな風に誘ったりしないよ。大丈夫、付き合ってる人はいないから安心してね」

謝罪はできた。しかし、それ以来、俺は長井さんを完全に意識してしまった。近くに来るだけでドキドキして、うまく喋れなくなってしまった。

そして、退院の前日。最後にきちんとお礼を言おうとナースステーションに向かうと、他の看護師と長井さんの会話が聞こえてしまった。

「のぞみは最近どうなの?今、私の旦那の話をしたんだから。この流れで分かるでしょ?のぞみの好きな人のことだよ。少し前はいい感じって言ってたじゃん。今は順調なの?」
「ああ、なんかいい感じだと思ってたのは私だけみたいなんだよね。最近は話してても目を合わせてくれなくてさ、そっけないんだよね」
「え、マジで?のぞみが美人じゃん。年齢不詳に見えないしさ。のぞみが迫って拒否する男がいるんだ?」
「そりゃ、いるんだなあ。ああ、私だけだったんだな」

その会話を聞いて、俺はめちゃくちゃショックを受けた。

「やっぱりドキドキしてたのは俺だけだったのか。長井さんは俺の息子に興味があっただけ。それだけの理由で体の関係を持ったんだ。俺のこと好きとか、そういうんじゃないんだ」

長井さんには、俺じゃない誰かがいる。その事実を知った俺は、その日から長井さんにめちゃくちゃ冷たく接してしまった。ショックと悔しさ、悲しみが入り混じって、顔をまともに見ることができなかった。結局、お礼を言わないまま退院の日を迎えた。

部屋を出ようとすると、長井さんが来て、連絡先が書かれたメモ用紙を渡してきた。

「退院おめでとう。これ、よかったら」

一応受け取ったが、俺から連絡することはなかった。

「好きな人がいるくせに、なんで俺なんかに連絡先を渡すんだよ。体の関係だけの友達にしようとしてるのか?ふざけるなよ」

退院してから、俺は長井さんを忘れようとがむしゃらに働いた。だが、忘れられないどころか、自分が思っていた以上に彼女を好きだったことに気づかされるだけだった。気がそぞろになってミスも増えた。

「おい、ハルト、調子悪そうじゃねえか。まだ足が痛むのか?」
「いえ、足はもう何ともないっす」
「じゃあ何だってんだ?そんな暗い顔してよ」
「俺、久しぶりに失恋しました」
「何?恋してたのか?」
「はい。入院してた病院の看護師に。でも、その看護師は俺じゃない誰かに片思いしてたんすよね。だから失恋したんすよ」
「なるほどな。でもよ、失恋したって言うけど、気持ちは伝えたのか?」
「いえ、伝えてないっす。伝える前に失恋したんで」
「だったら気持ちを伝えてみな。その方がすっきりして、案外早く忘れられるかもしれないぞ。忘れられなくてモヤモヤしてるんだろ?だったら当たって砕けてこい」

その言葉に背中を押されて、俺は仕事が終わるとすぐに長井さんに電話をかけた。

「長井さん、俺です。ハルトです」
「え、ハルト君?電話くれるのを待ってた」
「すみません、遅くなっちゃって。あの、今度会える時間ってありますか?」
「あ、ごめんね。ここのところ夜勤が続いてて、今日が休みだったの」
「じゃあ、今からとか会えますか?」
「え、今から?大丈夫だけど」
「じゃあ会いましょう。家はどこですか?俺が行きます」

住所を教えてもらって、俺は急いで準備して向かった。マンションの下で待っていてくれた私服姿の長井さんを見て、改めて綺麗な人だと思った。

「あの、俺、長井さんのことが好きです。入院している間、っていうか、あの日からずっと長井さんのことを意識してて、それで恋するのって久しぶりだったから、うまく喋れなくなっちゃって。だから最後にお礼も言えなかったんすけど、気持ちだけは伝えようと思って。長井さんには他に好きな人がいるのは知ってるんで、迷惑をかけてすみません。自分勝手だけど、振られてすっきりしたかっただけで…」

「え、ちょっと待って。なんで振られる前提なの?」
「え?だって、長井さん片思い中でしょ?」
「え?うん。相手はハルト君だよ」

しばらく無言が続いた。あの日の会話を思い返してみると、確かに長井さんが話してた内容は、俺が長井さんにやってた行動と同じだった。つまり、長井さんが好きだった人は俺自身だったのだ。

「え、あ、じゃあ、その時の話って…俺のことだったんすか?」
「俺、長井さんと他の看護師さんが話してるのを聞いちゃって。長井さんに好きな人がいるって知って、じゃあ俺とやったのは何だったんだって腹が立ったんです」
「はあ…」
「俺、自分にヤキモチ焼いてたのか。だっせえなあ」
「そうだったんだ。だから最後、そっけなかったのね」
「はい…」
「可愛いね」

そう言って、長井さんは俺にキスをしてきた。

「私もハルト君のことが好きだよ。これからよろしくね」
「は、はい!俺、絶対幸せにしますから」
「私もハルト君に似合う女になるよう頑張るね」
「そのままで十分すよ」
「うん。もっと綺麗になるの」

そう言って照れる長井さんが、めちゃくちゃ可愛くて、俺は思わずもう一度キスをした。こうして、俺はのぞみと付き合うようになった。

付き合い始めてから、俺は以前にも増して仕事を頑張った。1年後には結婚し、やがて可愛い娘も生まれた。最初は年齢差のことを両親に反対されたが、俺の本気と、のぞみが俺を大切に思ってくれていることを知って、最終的には祝福してくれた。

あれから5年。4年前に独立した仕事も順調で、俺は今、家族を幸せにするために働いている。

あの日、入院しなければ出会うことはなかった人生。特さんの言葉がきっかけで恋愛に前向きになれなければ、この幸せはなかったかもしれない。

今となっては、あの時の怪我も、長井さんとのすれ違いも、全部が笑い話だ。

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